なぜアウディTTは中古車市場で安いのか?5つの理由と魅力
アウディTTといえば、そのユニークなフォルムと走行性能で多くの自動車ファンを魅了してきたスポーツモデルです。1998年の登場以来、独特の円形や半円形をモチーフにしたデザインで人気を集め、3世代にわたって進化してきました。
しかし、そんなアウディTTが中古車市場では意外にも手頃な価格で取引されていることをご存知でしょうか?
プレミアムブランドのスポーツモデルなのに、なぜこれほど手が届きやすい価格になっているのか。その理由と隠れた魅力について、徹底的に解説していきます。
アウディTTとは?歴代モデルの特徴と変遷
アウディTTは、1998年に登場したコンパクトサイズのスポーツモデルです。
円形や半円形をモチーフにしたエクステリアや、アルミを使用したインテリアなど、特徴的なデザインや装備で一躍人気モデルとなりました。ベーシックなグレードから高出力エンジンを搭載するグレードまで幅広くラインナップされ、多くのファンを獲得してきました。
アウディTTの歴代モデルは、以下の3世代に分けられます。
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初代(8N型):1998年〜2006年
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丸みを帯びた未来的なデザインが特徴。3.2L V6エンジンを搭載するモデルもラインナップされました。
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2代目(8J型):2006年〜2015年
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初代のデザインを受け継ぎながらも、アウディのアイコンであるシングルフレームグリルを採用。より洗練されたシャープなデザインに進化しました。「TT」「TTS」「TTRS」の3グレードが展開されました。
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3代目(8S/FV型):2015年〜2023年
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MQBプラットフォームを採用し、ボディパネルをアルミにするなど、高剛性かつ軽量化されたボディが特徴。より洗練されたシャープなスタイリングに進化しました。
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アウディTTは2023年に生産終了となり、現在は中古車でのみ入手可能なモデルとなっています。
アウディTTの中古車相場はどれくらい?
アウディTTの中古車相場は、39万円〜928万円(全世代・クーペモデルの相場)と幅広い価格帯で取引されています。
最終モデルである3代目TTクーペの新車販売価格は518万円〜1,076万円だったことを考えると、中古車市場では比較的手に入れやすい価格帯になっていることがわかります。特に世代や年式が古いモデルほど、価格が下がる傾向にあります。

世代別の中古車相場の目安は以下の通りです:
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初代(8N型):39万円〜150万円程度
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2代目(8J型):70万円〜350万円程度
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3代目(8S/FV型):300万円〜928万円程度
世代や年式が新しいモデルは前世代モデルと比べると価格が高くなりますが、新車販売価格と比較すると割安になることが多いです。そのため、TTは中古車で買うとお得感を感じられるモデルといえるでしょう。
では、なぜアウディTTは中古市場でこれほど手頃な価格になるのでしょうか?
なぜアウディTTは中古車市場で安いのか?5つの理由
アウディTTは、コンパクトで扱いやすいスポーティなスタイリングのクーペおよびロードスターという特異なポジションのモデルです。希少性の高いコンパクトなスポーツモデルであるにもかかわらず、中古車相場が安くなる理由は主に5つあります。
1. 2ドアならではの実用性の制限
アウディTTは、コンパクトな2ドア4シータークーペおよび2ドア2シーターロードスター(オープンカー)です。
そのため、1人〜2人乗りで十分なユーザー向けのクルマといえます。クーペモデルには後席が用意されていますが、シートや足まわりのスペースが小さいため、実質2人乗りと考えておくほうが良いでしょう。

このようなクーペおよびロードスターならではの利便性で問題ない方にとっては、アウディTTは魅力的なモデルです。しかし、家族で乗ることが多かったり、荷物をたくさん載せたりしたい場合は、TT以外のモデルが候補となります。
つまり、アウディTTは、ユーザーを選ぶクルマであるため、中古車市場での需要が限られ、価格が下がりやすいのです。
2. 維持費の高さ
アウディTTは維持費が高くなる傾向があるため、中古車市場での価格が下がりやすいです。
例えば、燃料はハイオクガソリン指定となっています。そのため、レギュラーガソリン車から乗り換えた方からすると、毎月の燃料代が高く感じるでしょう。
また、輸入車であるため、故障時の修理費用(部品代や工賃など)が国産車より割高になる場合があります。このようなことから、維持費が高くなりやすいため、中古車市場で手に入れやすい価格になっているといえるでしょう。
ただ、アウディTTは、エンジン排気量が1.8L〜2.0Lが主流(一部モデルでは2.5Lや3.6Lがあります)ため、毎年かかる自動車税はエンジン排気量が大きいスポーツモデルよりも抑えることができます。この点では、他のスポーツモデル(大排気量スポーツモデル)より維持しやすい一面もあります。
3. 個性的なデザイン
アウディTTのデザインは、初代・2代目・3代目の全世代において円形や半円形がモチーフとなっています。
スポーツモデルによく見られる流線型のシャープなデザインとは異なるため、デザインの好みが分かれる場合があります。アウディTTのデザインに魅力を感じない方もいれば、スタイリッシュでカッコいいと評価する方もいます。

そのため、運動性能の高さを感じさせるスポーツモデルに乗りたいという人にとっては、アウディTTのデザインでは物足りないと感じるかもしれません。
デザインの良し悪しは個人の好みによるため、一概に良い悪いと断言できません。しかし、スポーティな雰囲気のスタイリッシュなクーペやロードスターを求めるなら、アウディTTのデザインは魅力的に映るでしょう。
4. 中古車の流通台数が多い
アウディTTは、1998年から2023年まで長期にわたって販売されてきたモデルです。そのため、中古車市場には多くの個体が流通しています。
供給が多いことで、必然的に価格競争が起こり、中古車価格が下がりやすくなっています。特に初代や2代目などの古いモデルは、経年による価値の低下も相まって、非常に手頃な価格で取引されることが多いです。
また、TTは3世代にわたって基本的なコンセプトやデザイン哲学を継承してきたため、新しいモデルが出ると古いモデルの需要が下がる傾向にあります。これも中古車価格を押し下げる要因となっています。
5. 新車価格の高さと中古車価格の落差
アウディTTの新車価格は、最終モデルである3代目TTクーペで518万円〜1,076万円と、決して安くはありませんでした。
高級輸入車に共通する特徴として、新車から数年経過すると急激に価値が下がる傾向があります。アウディTTも例外ではなく、新車で購入してから数年経つと、価格が大きく下落します。
このような新車価格と中古車価格の大きな落差が、中古車市場でアウディTTが「安い」と感じられる要因の一つとなっています。
アウディTTの魅力とは?
ここまでアウディTTの価格が安くなる理由を解説してきましたが、手に入れやすい価格以上の魅力があることも確かです。ここからは、アウディTTの魅力について紹介します。
1. コンパクトで扱いやすいサイズ感
アウディTTは、コンパクトなサイズが魅力です。
TTシリーズの最終モデルである3代目TTのサイズは、全長4,190mm、全幅1,830mm、全高1,380mmとなっています。街中での運転がしやすく、機械式駐車場に入れることも可能です。

そのため、運転しやすいサイズのスタイリッシュな2ドアクーペおよびロードスターを探しているのであれば、TTは最有力候補になるといえるでしょう。
また、運転しやすいサイズとなっているだけでなく、スポーティなドライビングが楽しめるスポーティグレードの「TTS」や、高出力エンジンを搭載した「TTRS」などを選べるのも特徴です。
コンパクトで運転しやすく、ドライビングも楽しめるモデルを求める方には、アウディTTはおすすめです。
2. 使いやすい荷室
アウディTTは、2ドアのコンパクトモデルであるものの、荷室のアクセスがしやすいという点が特徴です。
クーペモデルは、リアガラスまで持ち上がるバックドアを採用しており、開口部が大きくなっています。オープンモデルのロードスターの場合は、クーペモデルほどの開口部ではないものの、ほぼ垂直に持ち上がるトランクリッドにより、荷物の出し入れが楽にできます。

アウディTTの荷室は、ハンドバッグや買い物袋などの出し入れがしやすく、日常使いに適した2ドアクーペおよびロードスターといえます。
週末のショッピングや小旅行程度なら、十分な荷物を積むことができるでしょう。スポーツカーでありながら、実用性も考慮されている点は、アウディTTの大きな魅力の一つです。
3. 適度なスポーティさ
アウディTTは、適度にスポーティな走りを楽しめるのも魅力です。
クーペタイプのモデルやクーペモデルをベースとしたオープンカーの中には、乗り心地や使い勝手を犠牲にしてまで運動性能を追求したモデルもあります。
一方、アウディTTは、適度にスポーティさを感じられるものの、日常使いにおいて不快感を受けにくいクルマに仕上げられています。

そのため、アウディTTは、スポーツクーペ初心者の方、スポーティなスタイリングのクルマが欲しいが、乗り心地がハード過ぎないクルマが欲しい方におすすめです。
アウディTTのデザインやサイズ感に魅力を感じ、TTを欲しいと考えているものの、ベーシックなモデルの走りでは物足りない方は、よりスポーティな走りを実現する「TTS」や、高出力で独特なサウンドを奏でる直列5気筒ターボエンジンを搭載した「TTRS」を選ぶとよいでしょう。
アウディTT購入時の注意点
アウディTTを中古で購入する際には、いくつかの注意点があります。ここでは、購入前に確認しておきたいポイントを解説します。
1. 年式や走行距離に注意
アウディTTは、年式や走行距離によって状態が大きく異なります。
特に初代モデルや2代目の古いモデルは、経年劣化による不具合が発生しやすくなっています。購入前には、年式や走行距離を確認し、あまりにも古いモデルや走行距離が多いモデルは避けた方が良いでしょう。
一般的には、10万km以下の走行距離で、できるだけ新しい年式のモデルを選ぶことをおすすめします。
2. 整備記録の確認
アウディTTは、定期的なメンテナンスが重要です。購入前には、整備記録をしっかりと確認し、適切なメンテナンスが行われてきたかどうかをチェックしましょう。
特に、エンジンオイルやタイミングベルトの交換履歴は重要です。これらが適切に交換されていないと、将来的に高額な修理費用が発生する可能性があります。
3. 専門店での購入を検討
アウディTTのような輸入車は、一般的な中古車販売店よりも、輸入車専門の中古車販売店で購入することをおすすめします。
専門店では、アウディTTの特性や注意点を熟知したスタッフがいるため、適切なアドバイスを受けることができます。また、購入後のアフターサポートも充実している場合が多いです。

4. 保証の有無を確認
中古車購入時には、保証の有無も重要なポイントです。できるだけ保証付きの中古車を選ぶことで、購入後のトラブルに備えることができます。
特にアウディTTのような輸入車は、修理費用が高額になる場合が多いため、保証の有無は重要な判断材料となります。
まとめ:アウディTTは手に入れやすいスタイリッシュなスポーツモデル
アウディTTは、中古車市場での価格が安くなりやすいスポーティなクーペおよびロードスターです。言い方・考え方を変えると、手が届きやすいスタイリッシュなスポーツモデルをお得に購入できるということになります。
アウディTTが中古車市場で安くなる主な理由は以下の5つです:
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2ドアならではの実用性の制限
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維持費の高さ
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個性的なデザイン
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中古車の流通台数が多い
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新車価格の高さと中古車価格の落差
一方で、アウディTTには以下のような魅力もあります:
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コンパクトで扱いやすいサイズ感
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使いやすい荷室
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適度なスポーティさ
3世代にわたり販売され、アウディを代表するスポーツモデルの中核を担ってきたTTは、中古車市場に多く流通しています。そのため、状態の良いクルマを見極めるのが難しいというのが実情です。
アウディTTの購入を検討している方は、年式や走行距離、整備記録、保証の有無などをしっかりと確認し、できるだけ専門店で購入することをおすすめします。
あなたにぴったりのアウディTTが見つかることを願っています。
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