ポルシェはかわいくない？女性オーナーの意外な評価

ポルシェエクスペリエンスセンター東京で開催された車女子会の様子

ポルシェと女性オーナーの意外な関係性

「ポルシェ」と聞いて、あなたはどんなイメージを思い浮かべますか？

男性が乗るスポーツカー、力強い走り、高級感あふれる車体。そんなステレオタイプなイメージが多いのではないでしょうか。しかし実際には、ポルシェを愛する女性オーナーは少なくありません。彼女たちはなぜポルシェを選び、どんな魅力を感じているのでしょうか。

ポルシェに乗る女性たちは、単に「かっこいい車」として選んでいるわけではないのです。その奥には、私たちが想像もしなかった「かわいい」という評価が隠されていたりします。

この記事では、女性カーオーナーを応援する「beecar（ビーカー）」が主催した「素敵な車女子会」に参加した女性ポルシェオーナーたちの声を中心に、ポルシェの意外な魅力に迫ります。「かわいくない」と思われがちなポルシェが、実は女性の心をどう掴んでいるのか、その逆張りの視点からご紹介していきましょう。

一目ぼれから始まる女性とポルシェの物語

「ほぼ一目ぼれでした」

ポルシェのコンパクトSUV「マカンT」オーナーのMAKIさんは、そう語ります。彼女がマカンTをオーダーしたのは発売からわずか2日後のこと。約7ヶ月もの間待ちわびて手に入れた愛車について、彼女は目を輝かせながら話してくれました。

「見た目のデザイン、サイズ感を見てすぐにこれだと思いました」と語るMAKIさん。彼女だけではありません。女性ポルシェオーナーの多くが、最初の出会いで「これだ！」と直感的に感じたと言います。

この「一目ぼれ」という感覚は、ポルシェと女性の関係を語る上で非常に重要なキーワードなのです。

「かわいい」の再定義：女性が見出すポルシェの魅力

911カレラ2に乗る女性オーナー

「ポルシェ」と「かわいい」。一見すると相容れない言葉のように思えるかもしれません。しかし、女性オーナーたちの声を聞くと、彼女たちは独自の「かわいい」をポルシェに見出しているのです。

「空冷ポルシェは病みつきになるとは聞いていたのですが、それがわかるようになりました。エンジン音、ドアを開け閉めするときの音。そんなひとつひとつが素敵で、すぐにご機嫌ななめになるところも含めてかわいいなって思えるようになりました」

これは1991年式（964型）のポルシェ「911カレラ2」オーナーのサフランさんの言葉です。彼女は空冷ポルシェを愛し続けた母親から車を譲り受けました。当初はトラブルに悩まされたものの、手間をかけるほどに愛情が深まっていったといいます。

機械じゃなく「生き物」としてのポルシェ

女性オーナーたちが語るポルシェの「かわいさ」は、単なる見た目の可愛らしさではありません。「生き物みたいです」というサフランさんの言葉に象徴されるように、彼女たちはポルシェに人格や個性を見出しているのです。

「ちょっと油断するとすぐに機嫌が悪くなります」

これは愛車に対する不満ではなく、むしろ愛情表現です。気難しい部分も含めて愛おしいと感じる感覚は、ペットや大切な人に対する感情に近いものがあります。

女性オーナーたちは、ポルシェを単なる移動手段や地位の象徴としてではなく、共に時間を過ごし、関係性を育む「相棒」として捉えているのです。

（広告）一生モノの財布を探しているなら池田工芸　「質に妥協したくない」「長く使える財布が欲しい」そんな方におすすめの池田工芸。職人の手仕事が生み出す確かな品質で、一生愛用できる財布です。

女性ポルシェオーナーたちの本音

ポルシェはかわいくない？女性オーナーの意外な評価

ポルシェに乗る女性たちは、どのような思いで愛車と向き合っているのでしょうか。「素敵な車女子会」に集まった女性オーナーたちの声から、その本音に迫ります。

走りの楽しさを再発見

「走りは本当にキビッキビ（笑）重めのハンドルは少し切っただけでぐんとよく切れる。小回りが効くから駐車場や狭い道でも扱いやすいんです。もちろん、高速道路でも快適。加速も申し分なく運転が楽しくなりました」

マカンTオーナーのMAKIさんは、ポルシェの走行性能について目を輝かせながら語ります。彼女は以前、トヨタ「ビスタ」から始まり、「シーマ」「ファンカーゴ」「エスティマ」「アリスト」など様々な国産車に乗ってきました。

「国産車ばかり乗ってきたのですがメルセデスベンツ『GLC』に乗ってから外車の持つ独特な個性に惹かれてすっかり外車にはまってしまいました」

女性オーナーたちが口を揃えて語るのは、ポルシェに乗ることで「運転する楽しさ」を再発見したということ。ただ移動するための道具ではなく、運転そのものが喜びになる体験は、彼女たちの日常に新たな彩りを加えています。

細部へのこだわりが生む愛着

「シートベルトの色を変えただけで車内に差し色が加わりインテリアが楽しくなりました。子どもたちにも好評で、こちらがシートベルトしなさいと促さなくても自ら装着してくれるようになりました」

MAKIさんはマイアミブルーカラーのシートベルトについて、こう語ります。一見些細な装備の違いですが、こうした細部へのこだわりが日常の中で喜びを生み出しているのです。

女性オーナーたちがポルシェに見出す魅力は、単なる走行性能だけではありません。インテリアの質感、操作感のフィードバック、細部の作り込みなど、日常で触れる細かな部分にまで及んでいます。

「デザインとサイズ感」「エンジン音」「ドアの開閉音」など、五感で感じる体験の質が、彼女たちにとってのポルシェの価値を形作っているのです。

ライフスタイルを変えるポルシェとの出会い

ドライブを楽しむ女性ポルシェオーナー

ポルシェとの出会いは、多くの女性オーナーにとって単なる「車の買い替え」を超えた、人生の転機となっています。

「空冷ポルシェが来た当初は大変でした。乗り辛いだけでなく、エンジンの調子が悪かったり、あちらこちら本当によく壊れる。何か車のトラブルがあるたびに車の修理依頼をしていました」

サフランさんは、母親から譲り受けた911カレラ2との関係をこう振り返ります。しかし、そうした困難を乗り越えるプロセスこそが、彼女と愛車の絆を深めていったのです。

行動範囲と心の自由の広がり

「自分にとっての運命の1台と出会うことで、車のある暮らしが大げさではなく、180度、変化。行動範囲が広がり、ひとりで車を走らせる喜びと開放感を知り、それが最高のリフレッシュできるひとときだということに気が付く」

女性カーオーナーたちの多くが、ポルシェとの出会いを通じて行動範囲が広がったと語ります。物理的な移動距離だけでなく、心理的な自由度も高まったようです。

「いまでは生活の足として活躍するだけでなく、夫婦でロングドライブも楽しめるようになり、行動範囲はぐんと広がった」とサフランさんは語ります。

ポルシェが彼女たちにもたらしたのは、単なる移動手段ではなく、新しい体験との出会いであり、自分自身の可能性の広がりだったのです。

コミュニティとの繋がり

「マイカーを愛する者同士の交流」

これは「beecar（ビーカー）」が主催する車女子会の目的の一つです。ポルシェオーナーになることで、同じ趣味や価値観を持つ人々との新たな繋がりが生まれます。

2022年に開催された「素敵な車女子会」には22名の女性カーオーナーが参加し、それぞれが愛車を持参しました。そこには、アルファロメオ「MiTo」、フィアット「500C」、フェラーリ「カリフォルニア」など様々な車種が集まりましたが、共通しているのは「マイカーへの愛情」です。

世代や車種が異なっても、この共通点があれば話題は尽きません。ポルシェを所有することで得られる新たなコミュニティとの繋がりも、女性オーナーたちにとっての大きな魅力となっています。

女性がポルシェを選ぶ理由：男性との違い

ポルシェの展示モデルを眺める女性たち

ポルシェを選ぶ理由は、男性と女性で異なる傾向があります。女性オーナーたちの声から見えてくるのは、男性とは違った視点でポルシェの魅力を捉えている姿です。

感性重視の選択

「女性ポルシェオーナーは、自立心が強く、独自のスタイルを持っていることが特徴です。彼女たちはポルシェのエレガントなデザイン、洗練された内装、そして高いパフォーマンスに惹かれ、これを自己表現の一環としています」

女性オーナーたちの多くが、車の性能データやスペックよりも、実際に触れて感じる質感や乗った時の感覚を重視する傾向があります。MAKIさんが「ほぼ一目ぼれ」と表現したように、直感的な判断が購入の決め手になることが多いのです。

一方、男性オーナーは「リスクを取ることを恐れず、積極的に新しい挑戦を楽しむ傾向」があり、「ポルシェの高性能な運転ダイナミクスとスポーティーなデザインは、彼らの冒険心と一致」すると言われています。

女性が「感性」で選ぶのに対し、男性は「性能」や「ステータス」を重視する傾向があるようです。

長期的な関係性を重視

「自分自身への投資としてポルシェを選ぶ女性たちは、その選択を通じて自身の個性を表現しています。これは、彼女たちがキャリアや趣味の分野で築いた独自の地位を反映しているものです」

女性オーナーたちの語りからは、ポルシェとの長期的な関係性を重視する姿勢が見えてきます。サフランさんのように「手間をかける量と比例して高まっていった車への愛情」を語る女性は少なくありません。

「一台の車をずーっと長く乗って大切に磨いている人は、一人の女性を大切にしている人や」

これは島田紳助さんが語った「車と女性の関係」についての持論です。長く大切に付き合う姿勢は、女性オーナーたちにも共通して見られる特徴と言えるでしょう。

ポルシェを単なるステータスシンボルではなく、共に時間を過ごし育てていく「相棒」として捉える視点は、女性オーナーたちの語りに特に顕著に表れています。

SNSで広がる女性ポルシェオーナーの世界

近年、SNSの普及により、女性カーオーナーの姿が以前よりも可視化されるようになりました。特にインスタグラムは、女性オーナーたちが愛車との日常を発信する重要なプラットフォームとなっています。

「近ごろは車に詳しくないけれどマイカーが好きという女性が増えています。とくにインスタグラムが定番になってからは、マイカー専用のアカウントを作る方も多く、四季折々の風景と愛車の写真や、車内でお気に入りの小物、飲み物、ネイルアートなど、オーナーと車との日常のワンシーンを写真で紹介するなど、愛車との思い出の記録としてインスタを活用されている方が増えました」

自分らしさを表現する場としてのカーライフ

女性オーナーたちにとって、ポルシェは単なる移動手段ではなく、自分らしさを表現するための一つの手段となっています。インスタグラムなどのSNSは、そうした自己表現の場を提供しているのです。

「四季折々の風景と愛車の写真」「車内でお気に入りの小物」など、ポルシェを通じて表現される世界観は、オーナー一人ひとりの個性を反映しています。

こうしたSNS上での発信は、同じ趣味を持つ人々との繋がりを生み出すだけでなく、「まだ運命の車と出会っていない方々が、自分にとっての最高の車と出会うきっかけ」にもなっています。

コミュニティの広がりと新たな出会い

「ビーカーの車女子会の目的は大きく3つ。1つはマイカーを愛する者同士の交流、2つめに彼女たちのカーライフを紹介することで、まだ愛車と呼べる車に出会っていない方々に運命の1台と出会うきっかけになってほしい、そして3つめが、マイカー愛を広げることで安全運転の訴求につなげていきたい」

SNSを通じて広がるコミュニティは、オンラインだけにとどまらず、リアルな交流へと発展しています。「素敵な車女子会」のような場は、同じ趣味を持つ女性たちが出会い、情報交換や体験を共有する貴重な機会となっています。

こうした交流の場は、ポルシェを所有する女性だけでなく、「まだ運命の車と出会っていない方々」にとっても、新たな可能性を見出す機会となっているのです。

ポルシェと女性の未来：変わりゆくカーライフ

女性とポルシェの関係性は、今後どのように発展していくのでしょうか。現在の傾向から見えてくる未来の姿を探ってみましょう。

多様化する女性カーオーナーの姿

「近年の傾向として、車に詳しくなくてもマイカーが好きという女性が増えており、特にインスタグラムの普及により、マイカー専用のアカウントを作り、愛車との思い出を記録する女性が増えている」

この傾向は今後も続くと予想されます。車への興味や知識のレベルに関わらず、自分のライフスタイルに合った車を選び、楽しむ女性が増えていくでしょう。

ポルシェもそうした変化に対応し、様々なモデルやカスタマイズオプションを提供しています。2025年現在、ポルシェのラインナップは多様化し、911やボクスターといった伝統的なスポーツカーだけでなく、マカンやカイエンといったSUVモデル、さらには電気自動車のタイカンなど、様々なライフスタイルに対応できるモデルが揃っています。

こうした選択肢の広がりは、より多くの女性がポルシェを選ぶ可能性を高めています。