テスラに車両保険が入れない理由と対策|料率クラス17の衝撃

テスラに車両保険が入れない理由と対策|料率クラス17の衝撃
「テスラに車両保険がつけられない…?」あなたが次に直面する“現実”かもしれません。
未来志向の電気自動車・テスラ。高性能な走行性能、最先端の自動運転技術、洗練されたデザイン──そのすべてに魅了された人は少なくありません。
しかしその裏で、「車両保険に入れない」「見積もりで断られた」「補償内容が実質スカスカ」という声がSNSで急増中。とりわけ「料率クラス17」という衝撃的な数字が、保険の壁となってオーナーを悩ませています。
なぜ、最先端のテクノロジーを搭載したクルマが“保険のブラックリスト”に?
そして、今からでもできる有効な対策とは?
この記事では、テスラの車両保険をめぐる実情と、その背景にある「料率クラス17問題」の正体を徹底解説。
さらには、入れる保険・入れない保険の具体的なリストから、実際に起きた修理費トラブルのリアルな体験談、そしてテスラ専用の新しい保険サービスまで、今すぐ役立つ情報を網羅しました。
あなたの大切なテスラを守るために、保険の真実を今、知ってください。
テスラ車両保険の衝撃!料率クラス17の真実
「テスラの車両保険が入れない」「保険料が異常に高い」。
SNSやオーナーコミュニティでこんな声をよく目にします。世界最先端の電気自動車であるテスラが、なぜ保険の世界では「問題児」扱いされているのでしょうか。その真相に迫りました。
特に衝撃的なのは、テスラの一部モデルで車両保険の料率クラスが最高ランクの「17」に達していること。この数字が意味するものとは?そして対策はあるのか?
テスラオーナーの皆さん、そしてこれから購入を検討している方々に向けて、最新情報と具体的な対処法をお伝えします。
テスラ車の保険料率クラス17とは何か?驚きの実態
「料率クラス17って何?」と思われる方も多いでしょう。
自動車保険には、車種ごとの事故リスクを数値化した「型式別料率クラス」という区分があります。これは損害保険料率算出機構が過去の事故データに基づいて算出し、毎年見直される重要な指標です。普通車では1〜17の17段階で評価され、数字が大きいほど保険料が高くなります。
実際に損害保険料率算出機構が公表しているデータによれば、テスラモデル3の一部型式(3L13T/3L23)は2024年も2025年も車両保険の料率クラスが「17」となっています。これは最高ランクです。
さらに驚くべきことに、モデル3(3L23B)のように、2025年から対人、対物、車両保険が1クラスずつ上がって車両保険が17になった型式も存在します。
料率クラスが最高の「17」となる車種については、SBI損保をはじめとした通販型自動車保険のほとんどで車両保険の引き受けを断られるケースが多発しています。
これはどういうことでしょうか?
料率クラスは毎年型式ごとの過去3年間の保険料と保険金を集計して損害率を算出し、平均損害率よりも20%以上高ければ料率クラスが1つ上がる仕組みになっています。つまり、テスラ車の修理費用が保険会社にとって大きな負担になっているということです。
ただし、同じモデル3でも型式によっては車両の料率クラスが「13〜14」と低めの型式もあります。車両保険選びの際は、自分の車の型式をしっかり確認することが重要です。
なぜテスラの修理費用は高額なのか?6つの理由
テスラの修理費用が高額になる理由は何でしょうか?
大手損保会社の営業担当者によると、以下の6つの要因が挙げられます。
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初めて乗る車がテスラという人が多く、運転技術不足で車両感覚が足らずぶつけてしまう
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国産ファミリーカーからの乗り換えも多く、強い加速や扁平タイヤの特性に慣れていない
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少しの傷や損傷でも修理代が高額になるため保険を使って直そうとする契約者が多い
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テスラ独特のアルミボディ構造(ギガキャスト構造)は板金修理がやりづらく、高い修理技術と高額な費用が必要
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テスラの車体には「アルミニウム合金」が多く使用されており、修理には特別な技術や修理機器が必要
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修理に時間がかかる場合が多く、その間の代車費用もかさむ

テスラのギガキャスト構造の詳細図
特に注目すべきは「ギガキャスト」と呼ばれるテスラ独自のボディ構造です。
ギガキャストとは、テスラが開発した革新的なボディ構造で、複数の部品をアルミダイカストで一体化することで製造コストを大幅に削減できるメリットがあります。
しかし、この構造が修理を困難にしているのです。現役自動車エンジニアによると、ギガキャスト部品自体の修理はほぼ不可能で、部品交換も実質的に困難だと言います。
「アルミ部材の修理は鉄よりも難易度が高く、ギガキャストほど大きく複雑なアルミダイキャスト部品を修理して元のクルマの性能を保証できる業者はいないはずです。また部品ごと交換することも実質不可能です。理由はクルマを組み上げる順番です。」
テスラを含むモノコックボディの車は、まずアンダーボディから組み、その上にアッパーボディを組んでいきます。そこからエンジンやシャシー、内装、艤装部品を組み付けるため、ギガキャストなどアンダーボディの大きな部品を後から交換するようには設計されていないのです。
テスラ車の事故事例から見る保険の実態
実際の事故事例を見てみましょう。
昨年6月、酒気帯び運転のトラックに交差点で突っ込まれ全損扱いとなったテスラモデルXのオーナーSさんの体験は衝撃的です。

事故で大破したテスラの様子
「まず、困ったことは大破したモデルXが全損なのか、修理可能なのか?それを見極めるまでにすごく時間がかかったことです。最初に見積もりを依頼したのは神奈川県内にあるテスラの認定工場でしたが、『見積もりだけで3か月、修理には1年掛かる』といわれました。」
過失ゼロの被害者であるにもかかわらず、加害者側の保険会社からは代車は30日までしか提供されないと言われたそうです。
「こちらは過失ゼロ。相手は飲酒運転で信号無視をして突っ込んできたんです。おかしな話ですよね?あと、事故の2か月前に100万円かけて装着したプロテクションフィルム代も半額しか出さないといわれました。」
Sさんは弁護士にも相談し、何度か交渉してもらったものの代車提供期間の延長は取り合ってもらえませんでした。「代車を30日以上使うのであれば費用は裁判を起こして加害者に請求してくださいと言われました。」
その後、SさんのモデルXは大阪にある国内トップの修理技術を持つことで知られるテスラ専門の修理工場「ビーライト」に入庫し「全損」に認定されました。車両新価特約(新車特約)適用も認められ新車購入をすることになりました。
しかし、モデルXは購入時よりも新車価格が値上がりしており、その差額156万円は自腹で支払うことになったそうです。さらに3年間の無料充電特典(70万円相当)や金利アップ(約50万円相当)も補償されないとのこと。
これが「過失ゼロの被害者」の現実なのです。
テスラオーナー専用の保険サービスが登場!
こうした状況を受け、テスラオーナーのための専用保険サービスが登場しています。
2025年2月に誕生したのが、テスラオーナー専用の自動車保険代理店「アークエイド(ArcAid)」です。

テスラ専用保険サービスのイメージ図
キャッチコピーは「テスラに最適な自動車保険をご提案するテスラオーナー専用の自動車保険代理店」。引き受け保険会社は「あいおいニッセイ同和損害保険」で、ネット保険ではなく代理店型の保険です。
アークエイド代表取締役の園部壮登さんによると、テスラオーナー向けに設計された独自のプレミアム補償を標準装備しているとのこと。例えば、保険等級に影響しない「ボディへのいたずら被害」(上限10万円)や「ドアミラーの損傷」(上限1万8000円)など、テスラオーナーのニーズに合わせた幅広い補償を用意しています。
また、テスラの修理に詳しい専門家からの紹介による修理工場のネットワークも特徴です。
「テスラの修理は認定修理工場に持ち込むことが多く、それが修理に時間がかかる要因のひとつにもなっていると考えております。弊社は認定修理工場以外にもテスラの修理が可能な工場をご紹介可能ですので、パーツ交換を必要としない軽微な板金修理等であれば早く修理できる可能性がございます。」
これはテスラオーナーにとって朗報と言えるでしょう。
テスラ公式の保険プラン「InsureMyTesla」の実態
テスラにはInsureMyTeslaというテスラオーナー向けの自動車保険プランもあります。
日本向けの公式サイトでも紹介されており、引受保険会社は東京海上日動火災保険株式会社(代理店型)とSBI損害保険株式会社(通販型)の2社となっています。

InsureMyTeslaのサービス概要イメージ
昨年あたりから「来年から車両保険の契約を断られた」というテスラオーナーの声がSNSなどに目立つようになりました。SBI損保にテスラの車両保険について聞いてみたところ、以下のことがわかりました。
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令和7年からSBI損保の車両保険はテスラ公式のInsureMyTesla経由以外ではつけられない
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車両保険料率クラス15・16・17の型式の車両で、なおかつ契約者が5等級以下の場合はInsure MyTesla経由であっても、車両保険はつけられない
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車両保険料率クラス15・16・17の型式で6等級以下の契約者は、テスラじゃなくても車両保険はつけられない(つまり、テスラは同条件でも6等級の人はつけられる)
参考までに、新たに自動車保険を契約する場合は契約者の等級は6等級からスタートします。保険を使わなければ毎年、等級は上がっていきますが事故や自然災害などで保険を使うと次年の契約から1〜3等級ダウンします。
シンプルな結論として、自動車保険の等級が低いドライバーがテスラの中古車を購入する際は、型式の料率がとても重要になります。車両保険に加入できないケースがあるためです。
そもそもInsureMyTeslaは、高度な先進運転支援機能(自動運転的な安全性能)を備えたテスラ車の保険料はより安価であるべきというイーロン・マスク氏の提言から始まった制度です。しかし、日本ではモデル3などの料率が悪化傾向にあるというのは皮肉な現実です。
テスラオーナーが車両保険に入るための具体的対策
では、テスラオーナーはどうすれば車両保険に入れるのでしょうか?具体的な対策を見ていきましょう。

テスラオーナーのための保険選びガイドイメージ
まず、テスラ車を購入する前に、その型式の料率クラスを確認することが重要です。損害保険料率算出機構の公式サイトで誰でも調べることができます。
次に、以下の保険会社で車両保険が付けられるか確認してみましょう。
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アークエイド(テスラオーナー専用の保険代理店)
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InsureMyTesla(テスラ公式の保険プラン)
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チューリッヒ保険(テスラオーナーの口コミで車両保険に加入できたという報告あり)
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ソニー損保(走行距離連動型で、走行距離が少ない場合は保険料がお得になる可能性あり)
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東京海上日動(代理店型で、テスラ車の車両保険に対応している)
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おとなの自動車保険(代理店型で、テスラ車の車両保険に対応している)
通販型自動車保険で断られた場合は、代理店型の保険会社に相談してみることをお勧めします。保険料は高くなりますが、車両保険に加入できる可能性が高まります。
また、すでに他の車で高い等級(7等級以上)を持っている場合は、その等級を引き継いでテスラの保険に加入すると、車両保険に入れる可能性が高まります。
さらに、テスラ車を購入する際は、同じモデルでも型式によって料率クラスが異なることを理解し、可能であれば料率クラスが低い型式を選ぶことも一つの方法です。
テスラ車の修理を安全に行うためのポイント
テスラ車の修理について、いくつか重要なポイントがあります。

テスラ認定修理工場での作業風景
まず、ギガキャスト構造が使われていても、すべての事故で修理ができないわけではありません。自動車事故のほとんどはエアバッグが開かないような軽微な衝突です。その時に壊れるのは、前後のバンパーやフェンダー、ドアパネルですが、これらは交換可能な部品です。
特に車両前後にあるバンパーリインフォースやクラッシュボックスは効率よく衝突のエネルギーを吸収し、ボディ骨格を変形させない構造になっています。そのため、事故の大部分を占める低速での衝突なら、ボディ骨格がギガキャストでも修理できます。
問題は骨格が変形するほどの大きな事故です。このような場合は、テスラ認定の修理工場に相談することが重要です。テスラの認定ボディショップは、公式サイトで検索したところ全国に37箇所(2025年3月26日現在)あります。
また、一般社団法人 日本自動車車体補修協会(JARWA)の代表理事・吉野一氏によると、テスラは修理に関する課題解決に向けて施策を実行中とのこと。例えば、板金修理を含むメンテナンス情報をWEBでオープン開示しています。これは非常に画期的なことで、パーツカタログの情報開示を行っている自動車メーカーはテスラが世界初だそうです。
テスラオーナーとしては、軽微な修理であっても必ずテスラに精通した修理工場に相談することをお勧めします。アルミニウム合金の修理は特殊な技術が必要であり、一般の修理工場では対応できない場合が多いためです。
まとめ:テスラと車両保険の今後
テスラは世界トップクラスの先進安全技術を実装しており、衝突回避に優れた車であることは間違いありません。

テスラの先進安全技術と未来のイメージ
しかし、急な飛び出しや追突など避けられない事故で大きな損傷を受けることもあります。そのような場合、テスラ特有のボディ構造により修理費用が高額になりがちです。
車両保険は必須ですが、SBIや楽天などのネット型保険では型式や等級によって車両保険が付保できない場合もあります。その場合は保険料が高くなりますが、代理店型の保険会社に相談してみることをお勧めします。
また、テスラオーナー専用の保険代理店「アークエイド」やテスラ公式の保険プラン「InsureMyTesla」など、テスラ車の特性を理解した保険サービスも登場しています。
テスラを含む電気自動車は今後ますます普及していくでしょう。それに伴い、保険や修理のインフラも整備されていくことが期待されます。
最後に、テスラオーナーの皆さんには安全運転を心がけ、少しでも事故リスクを減らすことをお勧めします。テスラの先進安全技術を過信せず、常に周囲の状況に注意を払うことが大切です。
テスラ車の魅力を最大限に楽しみながら、万が一の事故に備えた適切な保険選びをしていただければ幸いです。
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