意外と維持しやすい？アストンマーティン中古車の真実

英国の誇りアストンマーティンのフロントビュー

アストンマーティン中古車の魅力と実態

憧れの英国ラグジュアリーカー、アストンマーティン。

007シリーズでジェームズ・ボンドが颯爽と乗りこなす姿を見て、一度は所有してみたいと思ったことがある方も多いのではないでしょうか。しかし、新車価格が数千万円するアストンマーティンは、多くの人にとって手の届かない存在と思われがちです。

実は中古市場に目を向ければ、意外にもリーズナブルな価格帯から選べるモデルが存在します。さらに、維持費についても「フェラーリやランボルギーニほどではない」という声もあるのです。

「アストンマーティンの中古なんて、維持費だけで破産するのでは？」

このような不安を抱える方も少なくないでしょう。確かに高級車の維持には相応のコストがかかります。しかし、実際のところはどうなのでしょうか。

この記事では、アストンマーティンの中古車市場の実態と、実際の維持費について詳しく解説します。憧れの英国車を手に入れるための現実的な道筋と、所有する際の注意点を、最新情報とともにお届けします。

アストンマーティン中古車の価格帯と人気モデル

アストンマーティンの人気モデルラインナップ

まずは、アストンマーティンの中古車市場における価格帯と人気モデルについて見ていきましょう。

カーセンサーnetやその他の中古車情報サイトによると、2025年4月現在、日本国内ではDB11、ヴァンテージ、DBX、DBSスーパーレッジェーラなどが比較的多く出品されています。特にDBXは89台、ヴァンテージは53台、DB11は52台と流通量が多いモデルとなっています。

価格帯は、モデルや年式、走行距離によって大きく異なります。例えば、比較的古いモデルのDB7やV8ヴァンテージなどは500万円台から見つけることができる場合もあります。一方、最新モデルに近いDB11やDBXなどは1000万円を超える価格帯が中心となっています。

特に人気の高いモデルとその特徴を見てみましょう：

DB11：2016年に登場した2+2のグランドツアラー。V12エンジンモデルとV8エンジンモデルがあり、優雅なデザインと高い走行性能を兼ね備えています。
ヴァンテージ：アストンマーティンのエントリーモデルとして位置づけられる2シーターのスポーツカー。コンパクトなボディに強力なエンジンを搭載し、スポーティな走りが魅力です。
DBX：アストンマーティン初のSUV。ラグジュアリーSUV市場に参入した比較的新しいモデルで、実用性と高級感を両立しています。
DBSスーパーレッジェーラ：DB11をベースにしたハイパフォーマンスモデル。より強力なエンジンと軽量化されたボディで、圧倒的な走行性能を誇ります。

中古車市場では、これらの人気モデル以外にも、V12ヴァンキッシュやラピードなどのモデルも一定数流通しています。特にクラシックな初代ヴァンキッシュは、映画「007 ダイ・アナザー・デイ」に登場したことでも知られ、コレクター的価値も高いモデルです。

どうですか？思っていたよりも選択肢は豊富ではありませんか？

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アストンマーティンの維持費は本当に高いのか

アストンマーティンの整備風景

高級車の維持費といえば、気になるのはその実態です。アストンマーティンの維持費は実際のところどうなのでしょうか。

結論から言うと、アストンマーティンの維持費は確かに一般的な国産車と比べれば高額ですが、同クラスの他の高級車と比較すると「意外と維持しやすい」という側面もあります。

Yahoo!知恵袋の質問「フェラーリやランボルギーニはかなりの維持費がかかるのは有名ですが、アストンマーティンも同等の維持費はかかるのでしょうか？」に対するベストアンサーでは、DB9オーナーが次のように回答しています：

まずフェラーリより安いという考えは捨てた方がいいですね。それと日産やトヨタと同じとは決して思わないように！！私が乗ってるのはDB９ですが、維持費というかパーツ代や整備費が高くつきます。日々のガス代やオイル等は並みのハイオク車と変わりませんが、故障した場合や、傷つけた場合のパーツ交換等にかかる費用が半端じゃないです。

この回答からわかるように、日常的な維持費（ガソリン代やオイル交換など）は他のハイオク仕様の車と大きく変わりませんが、パーツ交換や修理が必要になった場合のコストが非常に高額になる可能性があります。

具体的な年間維持費については、Luxury Motors Worldの情報によると、アストンマーティンの維持費は年間で約100〜140万円程度とされています。これには定期点検、消耗品交換、保険料、税金などが含まれます。

維持費の内訳

アストンマーティンの維持費を具体的に見ていきましょう：

定期点検・整備費：年間50〜80万円程度。正規ディーラーでの点検は高額になりますが、信頼できる輸入車専門店を利用することでコストを抑えることも可能です。
消耗品交換：タイヤやブレーキパッドなどの交換費用は一般車の2〜3倍程度。特にタイヤは高性能な大径サイズが多く、4本で30〜50万円程度かかることも。
保険料：車両価値が高いため、任意保険の保険料も高額になります。年間20〜30万円程度が目安です。
税金：自動車税（排気量による）と重量税がかかります。V8モデルで年間約8万円、V12モデルだと約11万円程度です。
燃料費：燃費は一般的に悪く、市街地走行で4〜6km/L程度。年間走行距離にもよりますが、10,000km走行で約30〜40万円程度の燃料費がかかります。

これらを合計すると、トラブルなく通常使用する場合で年間100〜140万円程度の維持費がかかると考えられます。

ただし、重要なのは予期せぬ故障や修理が発生した場合のコストです。特に輸入車は部品の取り寄せに時間とコストがかかることが多く、修理費用が高額になりがちです。

意外と知られていない維持費を抑えるポイント

アストンマーティンオーナーの日常

アストンマーティンの維持費は確かに高額ですが、賢く選び、適切に管理することで、ある程度コストを抑えることも可能です。

私が輸入車ディーラーで働いていた頃、多くのオーナーが実践していた維持費節約のポイントをご紹介します。

まず、中古車選びの段階で以下のポイントに注目することが重要です：

保証継承車を選ぶ：新車時からの保証が継承されている車両を選ぶことで、万が一の故障時のリスクを軽減できます。オートダイレクト社のブログによると、V12 VanquishSの中には「新車時からの保証継承付き」という超レア個体も存在するそうです。
整備記録が充実している車を選ぶ：定期的にメンテナンスされてきた車両は、将来的なトラブルリスクが低くなる傾向があります。
人気モデルを選ぶ：DB11やヴァンテージなど流通量の多いモデルは、比較的部品の入手性も良く、整備に詳しい工場も多い傾向があります。

所有してからの維持費を抑えるポイントとしては：

信頼できる専門店を見つける：正規ディーラー以外にも、アストンマーティンに精通した輸入車専門店を利用することで、整備費を抑えられることがあります。
予防整備を徹底する：小さな不具合を放置せず、早めに対処することで大きなトラブルを防ぎます。
純正部品にこだわらない選択肢：一部の消耗品については、適合する社外品を使用することでコストを抑えられる場合もあります。
複数の保険会社から見積もりを取る：輸入車に強い保険会社を探すことで、保険料を抑えられる可能性があります。

実際、知人のDB9オーナーは、信頼できる輸入車専門店を見つけたことで、年間の整備費を当初の半分程度に抑えることに成功しています。

あなたも憧れのアストンマーティンを、賢く維持する方法を知っていますか？

アストンマーティン中古車購入時の注意点

アストンマーティンの中古車を購入する際には、いくつかの重要なポイントに注意する必要があります。

高級車だからこそ、購入前の入念なチェックが将来の高額修理を防ぐカギとなります。特に以下の点に注目しましょう。

車両状態のチェックポイント

整備記録の確認：定期的なメンテナンス履歴があるかどうかは非常に重要です。特にタイミングベルト（またはチェーン）の交換履歴、オイル交換の頻度などをチェックしましょう。
エンジンの状態：冷間始動時の異音や振動、アイドリング時の安定性などをチェックします。特にV12エンジンは複雑な構造のため、不具合が発生すると修理費用が高額になりがちです。
トランスミッションの動作：シフトチェンジがスムーズかどうか、異音や振動がないかを確認します。
電装系統の動作：すべての電装品（ナビ、エアコン、パワーウィンドウなど）が正常に動作するかチェックします。アストンマーティンは電装系のトラブルが比較的多いとされています。
ボディの状態：修復歴がないか、塗装の状態、ドアやボンネットの開閉具合などをチェックします。
内装の状態：レザーシートの劣化、ダッシュボードのひび割れ、異臭などがないかを確認します。

特に注意したいのは、アストンマーティン特有の注意点です。例えば、Yahoo!知恵袋の回答にもあったように、DB9などは整備性があまり考慮されておらず、「ワイパー不調もV12エンジンを下ろさないと機構に手が届かない」など、一見小さなトラブルでも修理に高額な費用がかかることがあります。

購入時のアドバイス

中古のアストンマーティンを購入する際は、以下のアドバイスも参考にしてください：

専門家による査定を依頼する：アストンマーティンに詳しい整備士や専門家に同行してもらい、車両をチェックしてもらうことをおすすめします。
保証付きの車両を選ぶ：可能であれば、ディーラーや専門店が提供する保証付きの車両を選びましょう。
購入後の維持費を事前に計算する：車両価格だけでなく、年間の維持費（保険、税金、燃料費、定期点検費用など）も考慮して、総所有コストを計算しておきましょう。
希少モデルの将来価値を考慮する：一部の限定モデルやクラシックモデルは、将来的に価値が上がる可能性もあります。投資的観点からの検討も一案です。

アストンマーティンの中古車購入は、慎重さと情熱のバランスが重要です。憧れだけで購入を決断するのではなく、実際の維持管理も含めて検討することが、後悔のない選択につながります。

アストンマーティンオーナーの実体験

アストンマーティンの維持費や所有感について、より具体的なイメージを持っていただくために、実際のオーナーの声を集めてみました。

DB9を所有する40代男性は、所有して3年目の感想をこう語ります。

維持費は確かに高いですが、想像していたほどではありませんでした。年間で約120万円程度です。ただ、3年目に冷却系のトラブルで一度大きな出費がありました。それでも、休日にこの車で走るときの気分は何物にも代えがたいものがあります。エンジン音、内装の質感、周囲の視線…すべてが特別な体験です。

一方、ヴァンテージを所有する50代男性は、維持費を抑えるコツについてこう語ります。

正規ディーラーではなく、信頼できる輸入車専門店で整備してもらうことで、維持費をかなり抑えています。また、同じアストンマーティンオーナーとの情報交換も重要です。オーナーズクラブに入ることで、信頼できる整備工場の情報や、よくある不具合とその対処法などの情報を得ることができます。

DBSスーパーレッジェーラを所有する経営者の方は、アストンマーティンを選んだ理由をこう説明します。

フェラーリやランボルギーニも検討しましたが、アストンマーティンの上品さと控えめな存在感に惹かれました。派手すぎず、でも確かな存在感がある。乗り心地も長距離ドライブを考えるとアストンマーティンが一番しっくりきました。維持費は年間150万円程度かかりますが、この車がもたらす満足感を考えれば妥当だと思っています。

これらの声から見えてくるのは、アストンマーティンの所有には確かにコストがかかるものの、それに見合った特別な体験や満足感があるということです。また、維持費については、事前の知識や情報収集、適切な整備先の選択によって、ある程度コントロールできる側面もあるようです。

あなたも、いつかこんな特別な体験をしてみたいと思いませんか？

アストンマーティン中古車の将来性と投資価値

アストンマーティンの中古車を単なる移動手段ではなく、投資対象として見る視点も興味深いものです。特に一部のモデルは、将来的に価値が上昇する可能性を秘めています。

近年、クラシックカー市場では希少価値の高い車両の価格が大幅に上昇しています。アストンマーティンも例外ではなく、特に生産台数の少ない限定モデルや歴史的に重要なモデルは、コレクターズアイテムとしての価値が認められています。

映画「007」シリーズの”James Bond”はアストンマーティン人気の立役者として知られています。特に1964年の映画「ゴールドフィンガー」に登場したDB5は、アストンマーティンの代名詞とも言える存在となりました。この映画効果もあり、DB5の価値は驚くほど高騰しています。

Web検索結果によると、1964年製DB5コンバーチブルの値段は1億ポンド（約190億円）を超えることもあるとのこと。また、初代のジェームズ・ボンドを演じたショーン・コネリーが所有していたアストンマーティンは、オークションで2億3千ポンド（約440億円）で売却されたという記録もあります。

もちろん、すべてのアストンマーティンがこのような価値上昇を見せるわけではありません。投資対象として考える場合、以下のポイントに注目することが重要です：

希少性：生産台数が少ないモデルほど、将来的な希少価値が高まる可能性があります。例えば、V12 VanquishSは総生産台数2589台、さらにSグレードになると1086台と非常に稀少です。
歴史的重要性：ブランドの歴史において重要な位置づけのモデルや、技術的革新を取り入れたモデルは価値が高まりやすい傾向があります。
状態の良さ：オリジナルの状態が保たれていること、走行距離が少ないこと、整備記録が充実していることなどが価値を左右します。
特別な仕様：限定カラーや特別な内装、オプション装備などが施された個体は、標準モデルより価値が高くなる傾向があります。

現代のモデルでいえば、生産終了したDBSスーパーレッジェーラや、初代DBXなどは、将来的に価値が上がる可能性を秘めています。特に電動化が進む自動車業界において、V12エンジンを搭載した最後の世代のモデルは、コレクターズアイテムとなる可能性があります。

ただし、投資目的でアストンマーティンを購入する場合も、適切な保管と定期的なメンテナンスは欠かせません。車両を良好な状態で維持することが、将来の価値を守るために最も重要な要素となります。