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アルファロメオ・スパイダー(シリーズ5/S5)を買う前に知るべき『リアルな欠点』と『所有する喜び』

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目次

アルファロメオ・スパイダー(シリーズ5/S5)を買う前に知るべき『リアルな欠点』と『所有する喜び』

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アルファロメオ・スパイダー(シリーズ5、通称“S5”)は、1990年代半ばから2000年代にかけて製造された2シーターオープンスポーツカーです。

ピニンファリーナによる独特で美しいデザインと、アルファロメオ伝統のエンジンが生み出す走りの楽しさで、多くのファンを魅了してきました。

一方で、イタリア車らしい癖や経年によるトラブルも抱えており、「魅力と欠点が表裏一体」の通好みな一台と言えます。本記事では、自動車愛好家に向けて、このアルファロメオ・スパイダーS5の欠点と魅力を余すところなく解説します。

また、現オーナーの方が共感・確認できるポイントや、将来的な資産価値を狙う投資目的の視点も織り交ぜ、専門的かつ語りかける調子で徹底的に掘り下げます。

普通の記事では触れないような「なるほど!」と思える深掘り情報も盛り込みますので、ぜひ最後までお読みください。

アルファロメオ・スパイダーS5とは? – 基本概要

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アルファロメオ・スパイダーS5とは、アルファロメオが1994年(日本発売は1995年頃)から2005年頃まで製造・販売した5代目のスパイダーシリーズです。車両コード「916型」とも呼ばれ、クーペモデルのアルファロメオGTV(916型)のオープン版としてデビューしました。

デザインは名門カロッツェリアのピニンファリーナで、エンリコ・フミアによって手がけられています。

長年親しまれた先代(シリーズ4まで)のFR(二輪駆動)スパイダーから一新され、FF(前輪駆動)レイアウトを採用した意欲作でした。

主な特徴をまとめると:

  • ボディサイズ:全長約4,290mm×全幅1,780mm程度と、ロードスターとしてはやや大柄ですが、日本の狭い道路でも扱いやすいサイズです。
    全高は約1,310mmで、低くスポーティなプロポーションを持ちます。先代までのスパイダーと比べても車幅が広がり安定感が増しています。

  • デザイン:フロントからリアまで流れるような曲線美が特徴で、「楔形」のシャープさと柔らかな曲面を併せ持つスタイルです。
    特にリトラクタブル(格納式)ライト全盛の90年代にあって固定式の個性的なヘッドライト形状や、ボートのように絞り込まれたテールデザインは他に類を見ません。
    ピニンファリーナ作品の中でも評価が高く、次世代のクラシックカーとして注目度が高まっています。

  • エンジンと駆動:搭載エンジンは当初は直列4気筒2.0Lツインスパークエンジン(2本のスパークプラグを持つ独自の4気筒)で、後に名機と名高いV型6気筒エンジン(アルファの名物エンジン、通称「ブッソV6」)が追加されました。

    トランスミッションはいずれもマニュアルのみ(5速MT、V6は6速MT)で、オートマチックの設定はありません。
    そのため運転にはMT操作が必須ですが、後述するように変速機故障のリスクが少ないというメリットにも繋がっています。

  • 生産と販売:イタリア本国では1994年から2004年にかけて生産され、日本にも正規輸入されました(主に右ハンドル仕様が投入)。

    2003年には大幅フェイスリフトが実施され、フロントマスクのデザイン変更やエンジンのアップグレード(V6が3.2L化)などが行われました。
    最終モデルは2005年までに販売され、生産終了となっています。

こうした基本スペックからわかるように、アルファロメオ・スパイダーS5は「古典的スパイダーの血統を受け継ぎつつも現代的に生まれ変わったモデル」です。

では、その具体的な魅力と欠点とはどのようなものなのでしょうか?次章から詳しく見ていきましょう。

スパイダーS5の魅力 – 美しさとスポーティな走りの両立

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まずはアルファロメオ・スパイダーS5の魅力からご紹介します。

単に「カッコいい」「オープンが気持ち良い」というだけでなく、このクルマならではの特筆すべきポイントを専門的視点で深掘りしてみます。

洗練されたイタリアンデザインと存在感

何と言っても第一の魅力は、そのデザインの美しさでしょう。

ピニンファリーナが手掛けたボディは時代を超越したエレガンスがあり、発売から数十年経た今見ても色褪せません。
フロントノーズから滑らかに立ち上がるフェンダー、低く構えたウエストライン、そして特徴的なテールエンドまで、一目でアルファロメオとわかる個性が漂います。

実際、欧州では「GTV(クーペ)よりスパイダーの方が美しい」という声も多く、ピニンファリーナ作品としてヴィンテージカーになりつつあるとの評価すらあります。

ボディの各所にはプラスチック素材も多用されており、年数が経っても錆びにくいのも隠れた美点です。

塗装やパネルが健全であれば、古い個体でも外観コンディションを良好に保ちやすく、ガレージに美しく保管しておくだけでも満足感を与えてくれるでしょう。

さらにインテリアにもイタリア車らしい意匠が光ります。二連の丸型メーター、ドライバーを包み込むようなコクピット、上質なレザー内装(多くの個体が本革シートを装備など、乗り込んだ瞬間に特別な気分にさせてくれます。

例えば赤いレザー内装にシルバーのボディカラーの組み合わせはとりわけ映えると評判で、「ものすごくカッコいい」組み合わせとされています。

愛車として所有する満足感をデザイン面から存分に味わえるのがS5スパイダーの魅力です。

アルファロメオ伝統のエンジンが奏でる官能的なサウンド

デザインと並んで語らねばならないのがエンジンの魅力です。アルファロメオ・スパイダーS5には、大きく分けて2種類のエンジンが存在します。

1つは直列4気筒2.0Lの「ツインスパーク」(TS)エンジン。各気筒に2本ずつスパークプラグを持つアルファ独自の4気筒で、最高出力は約150馬力前後を発揮します。

もう1つは後から追加されたV型6気筒エンジンで、排気量は初期3.0L(223馬力)から後期3.2L(243馬力)へと拡大されました。

このV6エンジンはアルファロメオの名機「ブッソV6」(設計者ジュゼッペ・ブッソ氏の名にちなむ)として知られるもので、アルファ史上傑作のひとつと評されています。

それぞれキャラクターが異なりますが、どちらもアルファらしい官能的なエンジンフィールを堪能できます。4気筒TSは軽快に回るレスポンスの良さが持ち味で、「俊敏なツインスパーク」と表現されるほどアクセルに対する反応が機敏です。

一方のV6は一度味わうと病みつきになるような滑らかでトルクフルなフィーリングが魅力で、「とろけるようなV6」とまで称賛されるほどです。

アクセルを踏み込めば背筋にゾクゾクくるようなエキゾーストノートを響かせ、オープンにしているとそのサウンドがダイレクトに耳に飛び込んできます。

オーナーの中には「エンジン音を聞くために幌を開けて走りたくなる」と言う人もいるほどで、これは国産オープンカーや他社のエンジンではなかなか得られない快感です。
特にV6モデルの音色は非常に豊かで、低回転では重厚なハミング、高回転では鋭い咆哮と、音のドラマを楽しめます。

スポーツカーは音もご馳走だということを改めて実感させてくれるでしょう。

FFスポーツながら楽しめるハンドリング

「フロントエンジン・フロントドライブ(FF)のオープンスポーツ」というと、一部の走り好きにはネガティブに捉えられるかもしれません。
しかしスパイダーS5に関して言えば、そのハンドリングは想像以上に楽しいものになっています。

シャシーはベースが前輪駆動用のフィアット・ティーポ系プラットフォームですが、大幅に手が加えられています。

前サスペンションはマクファーソン・ストラット式ですが、リアには贅沢にもマルチリンク式サスペンションを奢り、ロードホールディングを向上させました。このおかげで、FFながらコーナリングでの踏ん張りが強く、安定した旋回性能を実現しています。

実際にステアリングを握るとすぐにわかるのが、ハンドル応答のクイックさです。ステアリングギア比がかなりクイックに設定されており、少ない舵角でも車がスッと向きを変えてくれます。

ボディ剛性もしっかり確保されており(同年代のオープンカーとしては健闘しています)、オープン特有のヨレを抑え込んでいます。
結果として、「FFだから退屈」どころかワインディングを積極的に攻めたくなるような俊敏さがあります。

エンジンパワーに関して言えば、2.0TSモデルでも日常域から中速コーナーくらいまでは十分にスポーティですし、高速道路の合流や追い越しでも不満が出ない程度の加速力は持っています。

V6モデルなら尚更で、強力なトルクでグイグイと加速し直線番長的な速さも楽しめます。FR駆動のようにテールを流すような挙動はしませんが、その分親しみやすく扱いやすいスポーツカーと言えます。

「アルファのスポーツカーなんて手強いのでは?」と怖がる必要はなく、むしろ噛み付いたりしないフレンドリーな奴だ、と海外評論家も述べているほどです。

オープンエアの開放感とグランドツーリング性能

スパイダーS5は純粋なスポーツロードスターであると同時に、グランドツアラー的な性格も併せ持っています。

高速クルージングの安定感が高く、高速道路をオープンにして流しているときの快適性はなかなかのものです。
車重が約1.3トン超とこのクラスにしては重めなおかげで直進時のどっしり感があり、横風にもあおられにくいです。

シートも長時間座っていられるだけのホールド性とクッション性が確保されており、2人でのロングドライブ旅行にも耐えられます。
実際にスパイダーS5で遠出を楽しんでいるオーナーも多く、「天気の良い日に幌を開けて流すと最高に気持ちいい」「ゆったりと景色を楽しみながら走るグランドツアラーとして優秀」という声が聞かれます。

また、幌(ソフトトップ)の開閉も電動式が用意され、ボタン一つで開け閉め可能な個体が存在します(初期は手動だったモデルもあり)。

停車して約20秒程度で開閉できるため、突然の雨にも慌てず対応できます。オープン状態でも空力配慮されたウインドディフレクター(風よけ板)のおかげで車内の風の巻き込みが比較的少なく、会話や音楽も楽しめます。
開放感と実用性のバランスが取れている点も魅力と言えるでしょう。

以上のように、アルファロメオ・スパイダーS5の魅力は「見る喜び」と「乗る喜び」の両立にあります。

美しいスタイルと官能的な走りでオーナーを魅了しつつ、グランドツーリングもこなせる懐の深さを持った一台なのです。

スパイダーS5の欠点 – 知っておきたい弱点と注意点

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魅力あれば欠点もある――ここからはアルファロメオ・スパイダーS5の欠点や注意すべきポイントについて、購入前に知っておいてほしい事柄を詳しく解説します。

イタリア車ならではのウィークポイントや、経年車ゆえのトラブル、日常使用で感じる不便などを網羅します。
事前に理解して対策すれば大きな問題にはなりませんが、知らずにいると後で「こんなはずじゃなかった…」となりかねないポイントです。

よくある故障・トラブル傾向

まず挙げるべきは、経年劣化や設計上のウィークポイントに起因するよくある故障箇所です。

アルファロメオというと「壊れやすい」「故障が多い」というイメージを持つ方もいるかもしれません。

しかし、実際の916スパイダーは適切にメンテナンスされていれば信頼性はそれほど悪くないと言われています。

とはいえ四半世紀前の車ですから、以下のようなトラブル事例が報告されています。

  • タイミングベルト周りの注意:とくに2.0ツインスパーク(TS)エンジン搭載車では、タイミングベルトおよびテンショナーに注意が必要です。
    元々は約11万kmごとの交換指定でしたが、テンショナーの不具合が判明したため交換サイクルが約5万8千kmへと大幅短縮されました。

    適切に部品交換していれば問題ないものの、もし前オーナーがこの対策を怠っているとベルト切れ→エンジン損傷という致命的故障につながりかねません。

    購入時にはタイベル交換履歴を必ず確認し、不明な場合は早めに交換するようにしましょう。
    V6エンジン搭載車も同様にタイミングベルト駆動ですので、5年または5〜6万km程度を目安に定期交換が必須です。

  • オイル漏れ・油脂系トラブル:20年以上前のエンジンですので各部シールやガスケットの劣化によるオイル漏れは「あるある」です。

    特にクランクシールやカムカバーガスケットからの滲み、パワーステアリングホースからの油圧オイル漏れなどが発生しやすいです。

    実際、あるオーナーの整備記録ではミッションを降ろしてクランクリアシールを交換し、高圧パワステホースはメーカー部品廃番のためショップでワンオフ製作して対応した例があります。

    購入後はオイル滴下の痕跡がないか車両下部をチェックし、漏れが見つかった場合は早めに対処しましょう。
    長く乗るならゴムホース類やシール類の一斉リフレッシュも検討すると安心です。

  • 電装系の不具合:古いイタリア車のお約束ですが、電装系の小トラブルも散見されます。具体的にはパワーウインドウの動作不良(レギュレータやモーターの故障)、集中ドアロックの不調、メーターや警告灯の接触不良、エアコンの効きが悪い・コンプレッサー故障などです。

    とりわけ電動式のソフトトップを備える車両では、開閉用の油圧ポンプやシリンダーの不調が起きる場合があります。
    「幌が動かない」といった症状の原因は多くの場合、油圧オイル漏れによる圧力低下で、これはオープンカーならメーカー問わず起こりうる定番修理です 。

    ポンプとホース接続部からのオイル漏れが原因となりやすく、ホース交換で修理可能です 。

    幸い構造がシンプルな分、電装トラブルは国産車の電装系ほど複雑ではないので、一つ一つ潰していけば確実に直るケースがほとんどです。

  • 足回り・ブッシュ類の劣化:サスペンションのブッシュやマウント類も経年でヘタっています。

    特にリアのマルチリンクは部品点数が多いためガタつきが出やすく、放置するとハンドリング悪化や異音の原因になります。
    幸いにもサスペンションブッシュ類は社外強化品や流用部品でリフレッシュすることが可能です。購入後に乗り味がフワフワしたり異音がする場合は、ブッシュ交換やアライメント調整を検討しましょう。

このように羅列すると不安になるかもしれませんが、逆に言えば「想定される弱点が把握できている」とも言えます。
新品同様の完璧な個体は稀かもしれませんが、信頼できるショップでこれら定番箇所を点検・整備すれば、大きなトラブルなく快適なスパイダーライフを楽しめます。
実際「大きな故障はないので安心して相談してください」と謳う専門家もいるほどで、事前準備と日頃のメンテさえ怠らなければ、必要以上に怖がる必要はありません。

燃費や日常使用で感じるデメリット

次に、日常生活でこのクルマを使う上でのデメリットを見ていきましょう。スポーツカーである以上ある程度は割り切りが必要ですが、購入後に「普段乗りではここが不便だった」という点をあらかじめ知っておくことは大切です。

  • 燃費があまり良くない:アルファスパイダーS5は決して燃費の良い車ではありません。
    ハイオクガソリン指定で、実燃費は2.0TSで街乗り7〜10km/L、高速巡航で10km/L台前半といったところです。特にV6 3.2Lモデルになると実燃費は7〜9km/L程度との声もあり、踏めばリッター5km台まで落ち込む場合もあります。

    タンク容量も大きくないため、長距離ドライブでは給油の頻度が増えるでしょう。
    昨今の燃料価格高騰もあり、ガソリン代は無視できない維持費となります(後述のシミュレーションでは年間27万円以上が燃料代にかかる計算でした)。

    この車に乗るなら燃費は「期待しない」のが基本です。

  • 実用性(積載性)が低い:2シーターオープンカーゆえに実用性は割り切りです。

    特にトランク(ラゲッジスペース)は屋根を収納する関係でスペースが限られ、ゴルフバッグはまず入りませんし、旅行鞄も小型のものを工夫して積む程度になります。

    日常の買い物でも大量の荷物を載せるのは難しく、基本的に「人間2人が気持ちよく乗れればOK」のクルマです。
    助手席の後ろに多少の小物を置けるスペースがありますが、盗難防止のためにも見える場所に荷物を置きっぱなしにしない方が良いでしょう。

    日常の足として使う場合は、もう一台実用車を持つか、この不便さも「ご愛嬌」と楽しむ心構えが必要です。

  • 乗り心地と静粛性:スポーツカーとしては頑張っていますが、高年式セダンのようなしっとり快適な乗り心地を求めるとギャップがあります。

    路面の継ぎ目では多少の突き上げ感がありますし、オープンゆえの車外騒音もそれなりに入ってきます。
    特にソフトトップは構造上、防音・遮音性でハードトップに劣るため、高速巡航時には風切り音が大きめです。

    ただ、この点は幌車全般の宿命でもあります。むしろ「屋根を開ければ全て解決!」と開放感で帳消しにしてしまうオーナーも多いようです。
    幌を閉めて走る際は、カーオーディオのボリュームを少し上げればさほど気にならなくなるでしょう。

  • 右ハンドル車のペダルレイアウト:日本仕様の右ハンドル車の場合、ややペダル配置が左にオフセットしている(内側に寄っている)と指摘されます。

    これはエンジンルーム内のレイアウト上仕方ない部分ですが、長身の方や足の大きな方は慣れるまで違和感を覚えるかもしれません。
    ヒール&トゥの操作などは慣れれば問題ありませんが、試乗できるなら実際にドラポジを確認することをおすすめします。

  • 現代車に比べ安全装備が少ない:1990年代設計の車ゆえ、今の車と比べると安全装備は最小限です。ABSは備わりますが、横滑り防止装置(ESC)などはなく、エアバッグも運転席・助手席に装備されている程度です。

    当時標準的な内容ではありますが、最新車のような先進安全機能は皆無です。また車両剛性も現代の基準からすると見劣りするため、事故の際のダメージを考えると無茶な運転は厳禁です。

    スパイダーS5に乗るときは、最新車に乗る時以上に「ゆとりを持った安全運転」を心がける必要があります。

このように日常面のデメリットはいくつかありますが、多くはスポーツカー・オープンカー全般に当てはまるものでもあります。

言い換えれば「スパイダーS5特有のとんでもない欠点」はそれほど多くありません。燃費の悪さや荷物の載らなさも、「それでもこのクルマに乗りたい」と思わせる魅力があるからこそ皆受け入れているのです。

購入検討の際は、これら日常上の妥協点もしっかり理解した上で、それを上回る楽しさが得られるかを自問すると良いでしょう。

部品供給とメンテナンス性の現状

古い輸入車を買う際に心配になるのが部品供給状況メンテナンス性でしょう。

アルファロメオ・スパイダー916(S5)も生産終了から約20年以上経過し、メーカーの部品供給は徐々に細ってきています。
しかし、結論から言えば「メンテナンス不可能な車ではない」です。以下、現状を整理します。

  • メーカー純正部品の供給:アルファロメオ本社からの公式部品供給は年々減少しており、一部パーツは既に廃番になっています。例えば前述のパワステ高圧ホースのように純正が入手できず、社外品製作で対応するケースもあります。

    しかし世界的に見ると916スパイダー/GTVの愛好者は多く、欧州を中心にリプロダクションパーツ(復刻部品)や中古パーツが流通しています。

    インターネットを通じて海外から取り寄せることも十分可能で、熱心な専門ショップは独自のルートで必要部品を確保しています。従って「壊れても部品が無くて直せない」という事態は、今のところそれほど多くありません。

  • 共通部品・流用:916スパイダーはアルファGTVと多くのコンポーネントを共有していますし、エンジンや電装の一部は同時期のアルファ155/156など他モデルと共通しています。

    そのため国産他車のパーツを流用したり、他モデルの部品を転用することで代替できる場合もあります。
    例えば電動幌の油圧系トラブルは「オープンカーならメーカー問わずあるある」と言われるほどであり、特定のメーカーに限らない汎用的な修理ノウハウが活かせる部分もあるのです。

  • 専門ショップの存在:国内にはアルファロメオを専門に扱う整備工場や旧車に強いショップが存在します。
    そういった専門家に任せれば維持は難しくないです。むしろディーラー(正規販売店)が扱わなくなった車種だけに、腕利きのショップを見極めてお任せすることが重要になります。

    ショップによっては部品をストックしていたり、海外から取り寄せるルートを持っていたりしますので、購入時にはぜひ信頼できる整備工場を確保しておきましょう。現オーナーいわく「部品が入手困難で困ったことは意外と少ない」との声もあります。

  • 自分で整備できる点も:幸い916スパイダーは完全電子制御の最新車とは違い、機械的な整備もしやすい部分があります。

    たとえばシンプルなDOHCエンジンやアナログな足回り構造なので、趣味でDIY整備をするオーナーもいます。
    ただし昨今はインジェクションのマッピングなど電子デバイスも絡むので、無理は禁物です。基本は専門家に任せ、自分は洗車や内装メンテナンスなど日頃のケアに努めるくらいが良いでしょう。

総じて、スパイダーS5のメンテナンス性は「旧車としては可もなく不可もなく」といったところです。他の90年代輸入車と比べ特別苦労するわけではありません。
ただ、長く快調に乗るには予防整備を含めた愛情あるケアが必要になります。購入前には前オーナーの整備記録をチェックし、購入後は早め早めの手当てを心がけると安心です。

スパイダーS5の維持費 – 覚悟すべきコストと内訳

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魅力も欠点も理解したうえで気になるのが、維持費用でしょう。古い輸入車となれば「維持費が高そう…」と不安に思う方も多いはずです。

ここではアルファスパイダー916にかかる主な維持費の内訳と、その目安について解説します。

維持費の主な内訳

一般的に車の維持費は「燃料代」「自動車税など税金」「任意保険料」「車検整備費」「消耗品・修理費」に分けられます。
アルファスパイダーS5の場合、それぞれの目安は次の通りです。

  • 燃料代:前述の燃費から試算すると、年間走行距離にもよりますが年間20万〜30万円前後と見積もられます。
    例えば年1万2千km走行し実燃費7km/L、ハイオク160円/Lで計算すると約27万円です。
    走行距離が少なければもう少し抑えられますが、いずれにせよ燃料代は維持費の中で大きな割合を占めます。

  • 自動車税:排気量に応じた毎年の税金です。
    2.0LのTSモデルであれば年間約45,000円(本来39,500円ですが車齢13年超で15%重課)ほど、3.0L以上のV6モデルなら約66,700円とかなり高額になります。
    しかも初度登録から13年超で重課税、18年超でさらに重課税となるため、古い車ほど税負担が増えます。
    916スパイダーはすでに全車13年超なので一律重課対象です。ちなみに重量税も車検ごとに加算重課されています。

  • 任意保険:保険料は年齢条件や等級によって変わりますが、車両保険なしの対人対物のみで年間5〜10万円程度が相場でしょう。
    当記事の試算では8.5万円という値が出ています。

    趣味車としてセカンドカー割引などを使えば多少安くできます。
    万一に備え、できれば車両保険にも入りたいところですが、旧車ゆえ時価額が低く設定され割高になるケースもあります。ここは各自の判断となります。

  • 車検基本費用:2年ごとにかかる車検費用のうち法定費用(自賠責保険・重量税・印紙代)は約5〜6万円程度です。整備費用は内容によりますが、一般的な整備工場で10〜15万円程度(消耗品交換含む)を見ておくとよいでしょう。
    記事試算では2年分を半分に割って年あたり約7.9万円となっています。

  • メンテナンス・消耗品:オイル交換やタイヤ、ブレーキパッドなど消耗品交換費用です。これも使用状況によりますが、年間5〜10万円程度は確保しておきたいところです。

    タイヤは4本で国産メーカー製なら6〜8万円ほど、ブレーキパッド前後で3〜5万円ほどが目安です。バッテリーやワイパー、オイル等も含めると塵も積もればそれなりの額になります。

  • 突発的な修理費:上記以外に、予期せぬ故障が発生した場合の修理費も考慮が必要です。たとえば電動幌の油圧修理で数万円、クラッチ交換で10〜15万円、タイミングベルト交換で10万円以上など、大物整備が発生するとそれなりの出費になります。
    そこで、予備費として常に例えば30万円くらいの資金を念のため用意しておくと安心です)。
    実際、他車種ですが「常時30万円前後用意していれば安心してスポーツカーライフを楽しめる」という助言もあります 。

以上を合計すると、年間維持費はざっと50万〜60万円ほどになります。
実際、ある試算では年間約55万2,000円、月あたり約46,000円という結果が出ました。
もちろん走行距離を減らす・保険を見直すなどで多少コストダウンは可能ですが、いずれにせよ国産の新しいコンパクトカーのようにはいきません。
東京都心の月極駐車場代並み、という辛辣な指摘もあります。

維持費高騰に対処するには?

もし維持費が負担に感じるようであれば、いくつか対処法や工夫があります。

  • 走行距離を抑える:趣味車と割り切り、通勤には使わず週末のみ乗るようにすれば燃料代・メンテ費を削減できます。
    例えば年間5,000km程度に抑えれば燃料代は半減近くまで下がるでしょう。走行距離が減れば消耗品の寿命も延びます。

  • 保険の見直し:セカンドカー割引を利用したり、年間走行距離区分を小さいものにしたり、車両保険を付けない/エコノミーにするなどで保険料を節約できます。
    ただし万一の際に十分補償が下りるようバランスは考えてください。

  • DIYで対応:自分で出来る範囲の軽メンテ(オイル交換や簡単な部品交換)を行えば工賃分を節約できます。
    ただし失敗して逆に高くつかないよう注意です。難しい作業はプロに任せるのが結局は安上がりです。

  • 信頼できるショップと付き合う:輸入車に慣れたショップなら、故障予防策や安価なパーツ調達法など知恵があります。
    お任せで維持してもらうことで大きなトラブルを未然に防ぎ、結果的に支出を抑えられることもあります。

  • 思い切ってリフレッシュ:購入時にまとめて消耗部品を交換してしまい、その後数年間は大きな整備をしないで済む状態にしてしまう方法です。
    初期投資はかかりますが、その後の維持費が安定し、安心感も買えます。

いずれにせよ、アルファスパイダーS5を維持するにはそれなりの費用がかかることは避けられません。

しかし、それを補って余りある「所有する喜び」がこのクルマにはあります。
維持費はある種の会費のようなものと捉え、しっかりメンテ資金も計画に入れた上で購入を検討しましょう。

生産終了と希少性 – 資産価値は?将来のクラシックカー?

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次に、投資目的・資産価値の観点からアルファロメオ・スパイダーS5を見てみましょう。
生産終了から年月が経ち、台数が減っている今、この車は将来的に価値が上がる可能性はあるのでしょうか。

希少性と市場在庫

アルファスパイダーS5(916型)は世界的に見ても生産台数自体はそれなりに存在しましたが、現存数は徐々に減っています。

例えばイギリスでは916スパイダーの残存台数がわずか1000台足らずと報告されており、そのほとんどが2.0ツインスパークで、3.0や3.2のV6モデルは滅多にない状態だといいます。

つまりV6モデルは英国ではコレクターズアイテム化しつつあるということです。日本国内でも新車当時の正規輸入台数は決して多くなく、中古車市場に出回るタマ数は限られています。とくに後期型の3.2 V6 24Vモデルや、限定グレードである「ルッソ・ファイナルエディション」などは希少で、探そうと思っても簡単には見つかりません。

また、近年の車全般の旧車価格高騰ブームにより、「ネオクラシック」と呼ばれる1990年代〜2000年代のスポーツカーが見直されています。

アルファスパイダー916も「将来のクラシックカー」と呼んでもおかしくない一台と評されており、国内外の愛好家が程度の良い個体を買い求め始めています。
特に走行距離が少なくオリジナルコンディションを保った個体は希少価値が高く、市場価格も上昇傾向にあります。

中古車価格の動向

2020年代現在の日本国内中古車市場では、アルファスパイダーS5の価格帯はおおよそ60万円台から300万円台と幅広くなっています(コンディションによって大きく異なる)。

例えば走行距離が多く要整備箇所を抱えた2.0TSモデルなら100万円以下で見つかることもあります。

一方、走行の少ない最終型3.2 V6や希少カラーの美車などは200〜300万円超のプライスタグが付いている場合もあります。

極端な例では、レストア済みの初代「デュエット」(1960年代スパイダー)や新車並行の939型スパイダー(次世代モデル)など他世代も含めた価格リストに混じって数百万円台後半の値が表示されることもありますが、一般的な916型の範囲としては前述の価格帯が現実的でしょう。

過去の推移を見ると、2010年代にはアルファスパイダー916はかなり安価で取引されていました。

海外では「1000ポンド(約15万円)から買える」とまで言われた時期もあり、日本でも数十万円で買えた時期があります。

しかし最近では状態の良いものは値段が上がってきています。英国の中古車相場では最高5000ポンド(約75万円)程度が上限と言われていましたが、日本では独自のプレミア(右ハンドル希少性や国内在庫の少なさなど)がついて、これより高いケースも散見されます。

将来の資産性という意味では、「今が底値でこれから上がる可能性がある」と言えるかもしれません。特にアルファロメオのオープンスポーツという血統、ピニンファリーナデザインの価値、そして何より内燃機関スポーツカーの最終世代の一つである点(この後アルファはスパイダー939を最後に小型オープンを作っていません)などを考えると、長期的に見てコレクターズアイテム化しても不思議ではありません。

既に欧州では「素晴らしいヴィンテージカーになりつつある」と言われています。

もっとも、投資として考えるならば注意も必要です。
状態維持に費用がかかりますし、値上がりするとしても10年スパンでゆるやかでしょう。すぐに倍の価格で売れるような類の車ではありません。あくまで「自分が楽しみつつ、結果的に大きく値崩れしない(むしろ上がるかも)」程度に捉えておくのが健全です。

投資目線で狙うなら、以下のポイントに留意すると良いでしょう。

  • 希少グレード・仕様を狙う:例えば「3.2 V6 24V 6速MT」「ルッソ・ファイナルエディション」「限定カラー(ヌヴォラブルーなど)」といった希少性の高いモデルは将来的に人気が高まる可能性があります。
    とくにアルファの伝統V6搭載のオープンカーというのは最後ですから、コレクター受けしやすいでしょう。

  • 低走行・良コンディション:将来価値を考えるなら走行距離の少ない個体、内外装や機関がオリジナルに近い個体が有利です。
    改造が少なく純正度が高いほど評価されやすい傾向があります。購入後も無理な改造は避け、できるだけ純正状態を保つようにしましょう。

  • 継続的なメンテナンス:価値を保つには、とにかくコンディション維持が鍵です。定期的にエンジンをかけ走らせ、必要な整備を怠らないようにします。
    ガレージ保管でボディを痛めないようにし、幌や内装も定期的に手入れしましょう。特に幌は汚れを放置すると痛みやすいので、毎月1回は丁寧に洗浄することを心がけたいところです。

  • 記録を残す:整備履歴やパーツ交換記録、オリジナルの書類などは資産価値評価の際にプラスになります。
    可能な範囲で記録簿を揃え、作業内容をファイリングしておくと、将来手放す際に買い手への安心材料となります。

このように手間をかけていけば、アルファロメオ・スパイダーS5は「趣味と実益を兼ねる」一台になりえます。

乗って楽しく、飾って美しく、さらには将来的に希少車の仲間入りをするかもしれない…。そんなロマンに賭けてみるのも、自動車趣味の醍醐味ではないでしょうか。

他モデルとの比較 – スパイダーS5はどんな立ち位置?

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最後に、アルファロメオ・スパイダーS5を他の車と比較してみましょう。

購入検討者にとっては、他の選択肢と迷うことも多いはずです。
ここでは先代・後継のアルファスパイダーとの比較や、同年代・同クラスのオープンスポーツカーとの比較を通じて、スパイダーS5ならではの特徴を浮き彫りにします。

歴代アルファスパイダーとの比較

  • スパイダーシリーズ4(1966-1993年のFRスパイダー最終型)との比較:いわゆる「デュエット」から続くクラシカルなスパイダーと、916スパイダーS5はキャラクターが大きく異なります。

    シリーズ4以前はFRレイアウトでまさに往年のオープンスポーツという趣でしたが、S5はFFとなり近代化されました。

    旧スパイダーは運転そのものより雰囲気やクラフトマンシップを味わう要素が強く、現代ではコレクターズアイテム色が濃いです。

    対してS5はエアコンや燃料噴射も完備された実用的スポーツカーで、気軽に日常でも走らせやすい利点があります。

    どちらが良いかは好みですが、「趣味性最優先ならシリーズ4以前、走って楽しむならシリーズ5」といった棲み分けになるでしょう。

    また市場価格的にも、シリーズ4(特にデュエット初期型など)は既にプレミア価格となっており、S5の方が手頃です。

  • スパイダー939(2006-2010年の次世代スパイダー)との比較:916スパイダーの後継として登場した939型(いわゆるブレラ・スパイダー)は、デザインこそ魅力的ですが車両重量が増し、本格的なグランドツアラーとなりました。

    4WDのV6モデルも存在し、安定志向が強いです。エンジンもGM系のユニットを搭載し、往年のブッソV6のような刺激は抑えめです。

    そのためピュアなスポーツ性では916スパイダーに軍配が上がるとの声もあります。サイズも939は全幅1830mm超とさらに大型化し、日本の街中では取り回しが大変です。

    その点、916は一回りコンパクトで扱いやすく、軽快さも勝ります。

    ただし939は年式が新しい分、装備や安全性では優れますし、高級感も増しています。

    現在939型の中古相場は916型より高めですが、将来的な希少価値ではむしろ916型の方が「最後のピニンファリーナ&ブッソV6のアルファオープン」として評価されそうです。

他メーカーのオープンスポーツとの比較

  • マツダ・ロードスター(MX-5):言わずと知れたライトウェイトFRオープンスポーツで、アルファスパイダーS5と同時期ならNA型・NB型(初代・2代目)ロードスターが競合しました。

    ロードスターは車重が1トン前後と軽く、ハンドリングの軽快さはピカイチです。対してスパイダーS5はロードスターより300kg以上重く、クイックさでは敵いません。

    しかしエンジンの力強さデザインの華やかさはアルファに分があります。NAロードスターの1.6L/1.8Lエンジン(110〜140馬力)では物足りないという人には、アルファの2.0やV6のパワーは魅力でしょう。

    またロードスターの実用燃費はアルファより良好で故障も少ないため、維持費重視ならロードスター、情緒重視ならアルファという選び分けになります。

    両車ともオープンエアの楽しさは共通していますが、味付けはかなり異なります。

  • フィアット・バルケッタ:同じイタリア製FFオープン2シーターとして比較されるのがフィアット・バルケッタ(1995年登場)です。

    こちらは左ハンドルのみの設定でしたが、日本にも少数が輸入されました。デザインは可愛らしくコンパクト、1.8L直4エンジン(130馬力程度)で軽快さを狙ったモデルです。

    実際、アルファS5より約310kgも軽量で、パワーは劣るものの機敏に走ります。ただし装備や造りの面ではアルファの方が上質で、高速安定性やボディ剛性もアルファが勝ります。いわば「大人のGT志向なアルファ」と「ライトウエイトでカジュアルなフィアット」という対比です。

    現在両車の中古市場価格はバルケッタの方が安い傾向ですが、希少性はどちらも高く、好みに応じて選ぶ形になるでしょう。

  • BMW Z3/Z4:ドイツ製の2シーターオープンとしてはBMWのZシリーズが挙げられます。916スパイダーと同世代ならZ3(1996-2002年)が該当します。Z3は直6 2.2Lや3.0Lエンジン搭載モデルがあり、FR駆動でスポーツ性と信頼性のバランスが取れています。

    内装の質感や幌の作りなど細部の完成度はドイツ車らしく高いです。
    ただ、その反面クセが少なく「尖った個性」という意味ではアルファの方が強烈です。アルファのデザインやエンジンサウンドに惹かれる人にとって、Z3は優等生すぎて物足りないかもしれません。

    一方で「FFよりFRがいい」「壊れにくさ重視」という人にはZ3/Z4が安心でしょう。価格帯はZ3も手頃になっていますが、こちらも直6エンジンの人気グレードは値上がり気味です。

  • ホンダ・S2000:もう一つ国産勢から、少し後発になりますがホンダS2000(1999年〜)も比較対象になることがあります。

    2.0Lで250馬力近い高回転エンジン、FR駆動、オープン2シーターと、スペック的には別格の本格スポーツです。
    走行性能ではS2000は群を抜いており、アルファS5は太刀打ちできません。

    しかし車としてのキャラクター性やデザインの趣はまるで異なります。S2000は機能美・合理性の塊で、ある意味で無骨さすら感じるスポーツマシンです。アルファS5は性能では劣っても「情緒的な豊かさ」があります。

    どちらが良いというより、ユーザーが何を重視するかで選択が変わるでしょう。将来的な希少価値という意味では、S2000も既に値上がりしていますがアルファS5も負けず劣らず独自のファン層が存在します。

このように様々なモデルと比較してみると、アルファロメオ・スパイダーS5の立ち位置が見えてきます。それは「絶対的な性能ではなく官能性能で勝負する、個性派オープンスポーツ」というものです。

スペック表やカタログ値では測れない魅力があり、それゆえに刺さる人には深く刺さるクルマと言えるでしょう。

競合車に比べ欠点もありますが、その欠点すら愛せるかどうか——そこがアルファスパイダーを選ぶ決め手になるのです。

まとめ – アルファロメオ・スパイダーS5はこんな人におすすめ

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長所も短所も隅々まで見てきましたが、最後に改めてアルファロメオ・スパイダー(シリーズ5)という車を総評してみます。

アルファスパイダーS5は、「クルマ好きの情緒を刺激する要素」をこれでもかと詰め込んだ一台です。

ピニンファリーナの麗しきデザイン、アルファ伝統エンジンの響き、オープンエアの開放感——所有すれば毎日がちょっと特別になるでしょう。

一方で、維持には手間も費用もかかり、それ相応の覚悟が求められるツンデレな相棒でもあります。

購入を検討しているあなたに伝えたいのは、「欠点まで含めて愛せるか」という点です。

もしこの記事を読んで「そこまで言うならむしろ面白そう」「トラブルもネタにして楽しめそうだ」と感じたなら、あなたはきっとアルファスパイダー向きです。

実際、現オーナーの多くは多少のトラブルも笑い飛ばし、むしろそれを機にクルマへの理解を深めています。オーナーズコミュニティも存在し、情報交換や助け合いも活発です。

「噛みついたりはしない、親しみやすいアルファだ」との言葉通り、ちゃんと手をかければ素直に応えてくれるでしょう。

現オーナーの方は、おそらく自身の愛車と照らし合わせ「あるある」と頷いていただけたかもしれません。

同時に、アルファスパイダーS5が持つポテンシャルや市場での評価を再確認できたのではないでしょうか。

ぜひこの機会に、改めて愛車のコンディションチェックやメンテナンス計画を立ててみてください。手をかけた分、末永くこの名車を楽しめるはずです。

投資・資産目的で注目している方にとっても、スパイダーS5は興味深い対象です。

すぐに大儲けとはいきませんが、趣味と実益のバランスが取れた楽しみ方ができます。
値上がりを期待しつつ、オーナーとしての時間も謳歌できる——株や不動産にはない魅力です。
もちろん投機的に考えすぎず、「将来クラシックになったらラッキー」くらいのスタンスで、この美しいロードスターをガレージに迎え入れてみてはいかがでしょう。

最後に、アルファロメオ・スパイダーS5は決して万人に勧められる車ではありません。
しかし、ハマる人にはこれ以上ない相棒となり得ます。イタリア語でアルファロメオのスローガンに「Cuore Sportivo(クオーレ・スポルティーヴォ)=魂のスポーツ心」という言葉があります。

スパイダーS5にはまさにそのスポーツ魂が宿っています。魂を持った機械だからこそ、生き物のように気難しいところもありますが、それを含めて人とクルマの濃密な関係を築けるのです。

あなたがもし、休日の朝に愛車のカバーを外し、エンジンに火を入れ、澄んだ空気の中オープンで走り出す……そんなシーンに胸がときめくなら、アルファロメオ・スパイダーS5は間違いなく“買い”でしょう

。その時はぜひ、今回紹介したポイントを思い出しながら、充実したアルファライフを送ってください。

それでは、Buon viaggio!(良い旅を!)

アルファロメオ公式

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