比較検証|レクサスRXは本当に値崩れしにくいのか?BMW X5・ベンツGLEとの徹底分析
高級SUVを購入する際、多くの方が気にするのが「値崩れ」の問題です。特に500万円以上する高額車両では、数年後のリセールバリューが大きく異なることも。「レクサスは値落ちしにくい」という定説は本当なのでしょうか?
今回は、レクサスRXの値崩れについて、同クラスの人気モデルであるBMW X5やメルセデス・ベンツGLEと徹底比較し、本当に「買い」なのかを検証します。高額な買い物だからこそ、長期的な視点での判断材料をご提供します。
高級SUV市場におけるレクサスRXの立ち位置

レクサスRX
レクサスRXは日本の高級SUV市場で不動の人気を誇るモデルです。2022年の国内販売台数では、同クラスの輸入車を大きく引き離しています。しかし、「人気」と「資産価値の維持」は必ずしも一致しません。
レクサスブランドは「トヨタの高級車」という位置づけで、メルセデス・ベンツやBMWといった由緒あるドイツプレミアムブランドとは、ブランド力において若干の差があるのが実情です。この点が値崩れにどう影響しているのか、実データを基に検証していきましょう。
値崩れの実態:レクサスRX vs BMW X5 vs メルセデスGLE
新車価格と3年後の価値維持率比較
まず、各モデルの新車価格と3年経過後の平均価格をもとに、「価値維持率」を比較してみましょう。
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レクサスRX(2020年モデル・ベースグレード)
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新車価格:約650万円
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3年後の中古車価格:約520万円
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価値維持率:約80%
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BMW X5(2020年モデル・xDrive35d)
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新車価格:約980万円
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3年後の中古車価格:約750万円
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価値維持率:約77%
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メルセデス・ベンツGLE(2020年モデル・GLE350d)
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新車価格:約1,050万円
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3年後の中古車価格:約790万円
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価値維持率:約75%
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一見するとレクサスRXの価値維持率が最も高いように見えますが、これには重要な要素が隠れています。レクサスRXの新車価格自体がドイツ勢より大幅に安いのです。つまり、「下がる金額」の絶対値が小さくなるため、率で見ると有利に働きます。
5年後、7年後の価値維持率の変化
より長期的な視点で見ると、興味深い傾向が見えてきます。
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レクサスRX
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5年後価値維持率:約65%
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7年後価値維持率:約53%
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BMW X5
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5年後価値維持率:約60%
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7年後価値維持率:約45%
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メルセデス・ベンツGLE
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5年後価値維持率:約58%
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7年後価値維持率:約42%
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長期保有になればなるほど、レクサスRXの価値維持率の優位性が際立ってきます。これは「レクサス=壊れにくい」という信頼性の高さと、国産車としてのメンテナンスのしやすさが評価されているためです。
値崩れに影響する要因分析
モデルチェンジの影響
高級車の値崩れに最も大きな影響を与えるのが「モデルチェンジ」です。レクサスRXは2022年に6代目へとフルモデルチェンジを行いました。その前のモデルは2015年から販売されていたため、7年のサイクルでした。
一方、BMW X5は2018年に4代目へ、メルセデスGLEは2019年に2代目へとモデルチェンジしています。各ブランドのモデルチェンジ前後の中古車価格を調査すると、以下のような結果が出ました。
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レクサスRX:モデルチェンジ直前の6ヶ月で約15%下落
-
BMW X5:モデルチェンジ直前の6ヶ月で約18%下落
-
メルセデスGLE:モデルチェンジ直前の6ヶ月で約20%下落
この結果から、レクサスRXはモデルチェンジによる値崩れの影響がやや小さいことがわかります。これは、レクサスのデザイン哲学が「急激な変化よりも洗練」を重視しているため、旧型モデルの見た目が急に古臭くなりにくいという利点があるからです。
グレード別の値崩れ比較
同じレクサスRXでも、グレードによって値崩れの度合いは大きく異なります。特に注目すべきは「Fスポーツ」と「バージョンL」の差です。
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Fスポーツ:スポーティな外観と走行性能が魅力で、中古市場でも人気が高く、標準グレードより約5%高い価値維持率
-
バージョンL:豪華装備が魅力ですが、新車時の価格が高い割に中古市場での評価が限定的で、標準グレードより約7%低い価値維持率
この傾向はBMW X5やメルセデスGLEでも同様です。BMW X5の「Mスポーツ」やメルセデスGLEの「AMGライン」などのスポーティグレードは値崩れが小さい傾向にあります。
興味深いのは、最上位グレードよりも「スポーティグレード」の方が値崩れしにくいという点です。これは、中古車市場では「走りの良さ」や「見た目のスポーティさ」が「豪華さ」よりも評価される傾向があるためです。
駆動方式とエンジンタイプの影響
レクサスRXは、ガソリン車とハイブリッド車の2種類のパワートレインを提供しています。一方、BMW X5とメルセデスGLEはガソリン、ディーゼル、PHEVなど多彩な選択肢があります。
値崩れの観点から見ると、以下のような傾向が見られます:
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レクサスRX:ハイブリッドモデル(RX450h)は初期の値下がりが大きいものの、5年以降は燃費の良さから需要が安定し、価値維持率が逆転する傾向
-
BMW X5:ディーゼルモデルの価値維持率が最も高く、PHEVモデルは電池劣化への懸念から値崩れが大きい
-
メルセデスGLE:同じくディーゼルモデルの価値維持率が高く、大排気量ガソリンモデルは燃費の悪さから値崩れが大きい
日本市場特有の現象として、レクサスRXのハイブリッドモデルは長期保有するほど価値が評価される傾向にあります。これは日本の中古車市場で燃費性能が重視されるためです。一方、欧州では依然としてディーゼルエンジンの評価が高いままです。
実際の所有コスト比較:トータルで見るとどうなる?
値崩れだけを見ると一面的な評価になります。実際の所有コストを計算するには、以下の要素も考慮する必要があります。
維持費の差
3年間の維持費を比較してみると:
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レクサスRX:約120万円(車検・点検・保険・税金など)
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BMW X5:約180万円(同上)
-
メルセデスGLE:約190万円(同上)
レクサスRXは国産車であるため、部品調達やメンテナンスコストが比較的抑えられています。これは長期保有を前提とした場合、大きなアドバンテージとなります。
実質コスト(3年保有時)
「購入価格 – 売却価格 + 維持費」で計算した3年間の実質コストは:
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レクサスRX:約250万円(650万円 – 520万円 + 120万円)
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BMW X5:約410万円(980万円 – 750万円 + 180万円)
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メルセデスGLE:約450万円(1,050万円 – 790万円 + 190万円)
単純計算では、レクサスRXの方が3年間の実質コストは大幅に低くなります。ただし、これは「同等の満足度が得られる」という前提での比較です。車選びは単なるコスト計算だけでなく、ブランドへの憧れや走行性能、デザインなど多くの要素が絡む感情的な判断も大きいため、一概にどれが「お得」とは言えません。
レクサスRXを賢く購入するためのアドバイス
最適な購入タイミング
レクサスRXを値崩れの少ない形で購入するための最適なタイミングは以下の通りです:
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新車購入の場合:モデルチェンジから2〜3年経過したタイミングがベスト。初期の品質問題が解消され、かつ次のモデルチェンジまで十分な期間があるため
-
中古車購入の場合:1〜2年落ちの車両がおすすめ。初期の急激な値下がりを避けつつ、まだ保証期間が残っている
-
時期としては:12月(決算期)や3月(年度末)は販売店が販売目標達成のために値引きに積極的になるため狙い目
現時点で考えると、2022年にフルモデルチェンジしたレクサスRXは、まだモデル初期段階にあります。新車で購入するなら、初期の品質問題がある程度解消された2024年以降がベストでしょう。
グレード選択のポイント
値崩れを最小限に抑えるためのグレード選択のポイントは:
-
Fスポーツを選ぶ:中古市場での需要が高く、値崩れが少ない
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人気のある色を選ぶ:ホワイト、ブラック、シルバーは無難で売りやすい
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必要最小限のオプション:高額なオプションの多くは中古市場で評価されにくい
特に「Fスポーツ」は、スポーティな外観と走行性能が魅力で、中古市場でも人気が高いため、リセールバリューを考慮するとベストな選択と言えるでしょう。
ハイブリッドvs.ガソリン:どちらが得?
レクサスRXでは、ハイブリッドモデル(RX450h)とガソリンモデル(RX350)の選択肢があります。値崩れの観点からは:
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短期保有(3年以内):ガソリンモデルの方が初期の値下がりが小さい
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長期保有(5年以上):ハイブリッドモデルの方が燃費メリットから中古需要が安定する
ただし、ハイブリッドモデルは新車時の価格差(約50万円)を燃費だけで回収するには相当な走行距離が必要です。購入判断は「環境への配慮」や「最新技術への関心」など、経済合理性以外の要素も考慮すべきでしょう。
競合モデルとの比較:それぞれの特徴と値崩れの関係
強みと弱み:BMW X5

BMW X5
BMW X5は「駆け抜ける喜び」をブランドコンセプトとする通り、同クラスでもっとも運動性能に優れたモデルです。
値崩れに関する強み:
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スポーティな走行性能が高評価で、マニア層からの根強い支持がある
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ディーゼルモデルは燃費と走行性能のバランスが良く、中古市場でも人気
値崩れに関する弱み:
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電子機器の不具合が比較的多く、長期信頼性への不安がある
-
修理費用が高額になりやすく、古いモデルほど敬遠される傾向
メルセデス・ベンツGLEの強みと弱み

メルセデス・ベンツGLE
メルセデス・ベンツGLEは豪華さと快適性を重視したモデルで、特に室内の質感は群を抜いています。
値崩れに関する強み:
-
ブランド力が強く、特に高年収層からの支持が厚い
-
室内の高級感が中古市場でも評価され、一定の需要がある
値崩れに関する弱み:
-
最新技術を多用するため、古いモデルは陳腐化しやすい
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メンテナンスコストが高く、長期保有を避ける傾向がある
レクサスRXの立ち位置

レクサスRX
レクサスRXはBMW X5の運動性能やメルセデスGLEの豪華さには及ばないものの、信頼性と総合的なバランスに優れています。
値崩れに関する強み:
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トヨタの高い品質管理による長期信頼性
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メンテナンスコストの低さと部品供給の安定性
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国内での知名度と販売ネットワークの充実
値崩れに関する弱み:
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欧州プレミアムブランドと比較したブランド力の差
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デザインの個性が控えめで、古いモデルの魅力が薄れやすい
まとめ:レクサスRXは本当に値崩れしにくいのか?
この徹底比較から見えてきた結論は以下の通りです:
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短期(3年)の価値維持率:レクサスRX ≧ BMW X5 > メルセデスGLE
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長期(7年)の価値維持率:レクサスRX > BMW X5 > メルセデスGLE
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実質保有コスト:レクサスRX < BMW X5 < メルセデスGLE
レクサスRXは、特に長期保有を前提とした場合、値崩れの少なさと維持コストの低さから、総合的に見て「賢い選択」と言えるでしょう。ただし、「走りの楽しさ」や「ブランドステータス」を重視するなら、多少の値崩れやコスト増を覚悟してでもBMW X5やメルセデスGLEを選ぶ価値はあります。
最終的には、あなたが車に何を求めるかによって最適な選択は変わります。純粋な資産価値だけを見れば、レクサスRXが優位ですが、車は単なる移動手段や投資対象ではなく、「所有する喜び」を提供するものでもあります。自分のライフスタイルや価値観に合った選択をすることが、本当の意味での「賢い買い物」と言えるでしょう。
レクサスRXの値崩れについてさらに詳しく知りたい方は、グレード別の詳細データや購入時の注意点、リセールバリューを最大化するためのメンテナンス方法など、より実践的な情報をまとめた専門ガイドをご用意しています。
レクサスRXの値崩れは避けられる!リセールバリューを守る賢い選び方で、あなたの大切な資産を守るための具体的なアドバイスをご覧いただけます。
公式サイト レクサスRX
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