世界最小の車、ピールP50とは?
世界で最も小さい車をご存知でしょうか?
それは、イギリスのマン島で誕生したピールP50という超小型車です。全長わずか1,340mm、全幅990mm、全高1,000mmという驚異的なサイズで、ギネスブックに「世界最小の量産車」として登録されています。約1メートルの立方体のような佇まいは、まるで子どものおもちゃのようですが、れっきとした公道を走行できる自動車なのです。
1962年から1965年にかけて、イギリス領マン島に本拠を構えるピール・エンジニアリング社によって製造されたこのマイクロカーは、当時わずか47台しか生産されませんでした。現在では27台のみが現存しているとされ、その希少性から2013年のオークションでは1964年製のオリジナル車両が12万ドル以上で落札されるという驚きの価値を持つようになっています。

ピール・エンジニアリング社は、もともとオートバイのフェアリングなどグラスファイバー製パーツを製造する会社でした。その技術を活かして自動車製造に参入し、「大人一人と買い物袋を1つ乗せられる車」というコンセプトのもと、究極にコンパクトな車両を生み出したのです。
ピールP50の驚異的なスペック
極限まで小さいボディサイズ
ピールP50の最大の特徴は、その信じられないほど小さいサイズです。
全長1,340mm、全幅990mm、全高1,000mmというスペックは、日本の軽自動車(全長3,400mm以下)と比較してもその約3分の1程度しかありません。シニアカーの全長が約1,200mm程度であることを考えると、ピールP50がいかに小さいかがわかるでしょう。車両重量はわずか56kgで、大人が持ち上げることも可能なほどの軽さです。
前2輪、後1輪という三輪レイアウトを採用し、乗車定員は1名のみ。ドアは片側に1枚だけで、大人が乗り込むと三角座りのような格好で運転することになります。グラスファイバー製のボディは、大きな窓にワイパーが1本、ボディ先端には1灯式ヘッドライトが付いているだけというシンプルさですが、その愛らしい雰囲気は多くの人を魅了してきました。
49ccエンジンと走行性能
オリジナルのピールP50には、49ccの空冷2ストロークエンジン(モペット用)が搭載されていました。最高出力は4.2ps、変速機は3速MTで、最高速度は約61km/hです。
排気量はわずか49ccですが、車両重量が56kgと極めて軽いため、スクーターのように気軽に街乗りで使用できる性能を持っていました。ただし、このサイズと小径タイヤですから、30km/hも出せば心理的なリミッターが働くのは想像に難くありません。燃費は公称値で35.7km/Lと非常に優れており、環境性能の面でも先進的でした。
興味深いのは、オリジナルのP50にはバックギアがなかったことです。では、どうやって後退するのでしょうか?答えは簡単で、車両下部に付いた取っ手をつかみ、トロリーバッグのように引っ張って移動するのです。わずか56kgという軽量さがこれを可能にしていました。
ミニマムな装備と機能
「大人一人と買い物袋を1つ乗せられる車」というコンセプトを満たすため、ピールP50の装備は最小限に留められています。
エアコン、ヒーター、ラジオなど、当時高級車にのみ装備されていた快適装備は一切ありません。ステアリング、ウインカー(フロントのみのため公道走行時は手信号が必要)、シフト機構、ペダル類、ランプ類など、自動車として最低限必要な装備だけが備わっています。キャビンもミニマムで、本当に「大人ひとりと買い物バッグ」サイズなのです。
ピールP50の歴史と再評価
1960年代の誕生と短い生産期間
ピールP50が誕生した1960年代初頭は、すでにバブルカーの時代は過ぎ去り、人々の目は小型乗用車に注がれていました。
ピール・エンジニアリング社は1955年に350ccエンジンの三輪自動車「マンクスカー」を製作しましたが、税金が上がったため販売を断念。その後、1962年に50ccエンジンのピールP50を完成させ、販売を開始しました。当時の定価は199ポンド(現在の価値に換算すると約100万円、一部資料では約3万円とも)という手頃な価格でしたが、市場の需要とマッチせず、1965年までの3年間でわずか47台が生産されただけで製造終了となりました。

ピール・エンジニアリング社は1974年には解散し、ピールP50は歴史の中に埋もれていくかに見えました。しかし、その希少性と独特の魅力は、時を経て再評価されることになります。
2007年「TOP GEAR」での再注目
ピールP50が突然スポットライトを浴びたのは、2007年のことでした。
英国BBCの大人気自動車番組「TOP GEAR(トップギア)」で取り上げられたことが、転機となりました。人気司会者のジェレミー・クラークソンが自らピールP50のステアリングを握り、市街地を走行した後、P50を携えてオフィスビルに侵入。エレベーターには自走で乗り込みましたが、バックギアのないP50は居合わせた女性に押してもらうという場面も。その後もオフィスをうろうろしたり、収録中のスタジオを横切ったりと、最高にシュールな使い方をして大はしゃぎする様子が放送されました。
この番組での紹介が、ピールP50の再評価につながり、世界中のマイクロカー愛好家やコレクターの注目を集めることになったのです。オリジナル車両の価値は急上昇し、2013年のオークションでは12万ドル以上という高値で落札されるまでになりました。
派生モデル「トライデント」の存在
ピールP50には、派生車種として「トライデント」というモデルも存在しました。
1964年に登場したトライデントは、P50をベースにスポーツ仕様として開発されたモデルです。最大の特徴は、透明なバブルキャノピーを備えた未来的なデザイン。2席が並列配置され、ふたり乗りを実現したため、ボディは大型化し、車両重量もP50の56kgから90kgへと増加しました。
当初は49ccの2サイクルエンジンを搭載していましたが、後にトライアンフ製99ccエンジン搭載モデルも数台がリリースされています。トライデントは生産台数80台と、P50の47台を上回るヒットとなりました。そのユニークなデザインから、「史上最悪のクルマ」にも選ばれたことがあるという、ある意味で伝説的な存在です。
2010年の復刻版と現代への復活
ピール・エンジニアリング・リミテッドによる復刻
2010年、ピールP50は現代に甦りました。
ピール・エンジニアリング・リミテッド(1960年代当時とは別会社)が、オリジナルに極めて近い外観を保ちながら、足回りやエンジンなどを現代のものに刷新した復刻版を発売したのです。この復刻版は、同年に「世界最小の量産車(smallest production car)」としてギネスブックに正式登録されました。
復刻版の最大の特徴は、パワーユニットにモーターを採用したEV仕様となったことです。電動化により、オリジナルの弱点だったバックギアも装備されました。モーター駆動の利点を活かし、より実用的な車両へと進化したのです。
ガソリンエンジン仕様も用意
EV仕様に加えて、ガソリンエンジン仕様も用意されています。
こちらは4ストロークエンジンで、出力は3馬力。オリジナルの2ストロークエンジンから進化し、より環境に優しく、信頼性の高いエンジンとなっています。もちろん、こちらのガソリン仕様にもバックギアが装備されており、オリジナルの不便さは解消されています。
外観はオリジナルの愛くるしいデザインを忠実に再現しながら、内部は現代の技術で刷新されているため、実用性と懐かしさを両立した仕上がりとなっています。
現在の価格と購入可能性
復刻版ピールP50の価格は、£10,899~£11,699(約162万円~174万円)とされています。
オリジナルの定価が199ポンドだったことを考えると大幅に高価になっていますが、現代の安全基準や環境基準に適合させるためのコストを考えれば、妥当な価格といえるでしょう。何より、ギネス認定の「世界最小の車」を手に入れられるという希少性と話題性は、価格以上の価値があるかもしれません。
現在でも購入可能であり、その気になれば世界最小の車のオーナーになることができます。ただし、日本での公道走行には様々な規制や手続きが必要となる可能性があるため、購入を検討する際は事前に十分な調査が必要です。
ピールP50の魅力と現代的意義
究極のダウンサイジング車両
21世紀に入り、環境性能が重視されるようになった現代。
ダウンサイジングという言葉は、排気量を縮小しながらも高効率の過給で出力を確保する手法として定着しました。1.0L以下の普通車も増え、日本では660ccの軽自動車が大きな存在感を誇っています。そんな中、ピールP50は究極のダウンサイジング車両として、改めて注目を集めているのです。
わずか49ccのエンジン(復刻版はEVまたは3馬力エンジン)、56kgの車両重量、1名乗車という割り切った設計は、「本当に必要な移動手段とは何か」という問いを投げかけています。日本の軽自動車よりもさらに小さい、究極にコンパクトな移動手段として、都市部での短距離移動や個人の通勤などに最適な選択肢となる可能性があります。
環境性能と持続可能性
ピールP50の環境性能は、現代の基準から見ても注目に値します。
オリジナルのガソリン仕様で35.7km/Lという燃費性能は、1960年代の車両としては驚異的です。復刻版のEV仕様は、さらに環境負荷を低減し、ゼロエミッション車両として都市部での使用に適しています。車両重量が軽いため、バッテリー容量も少なくて済み、製造時の環境負荷も小さいと考えられます。
持続可能な社会を目指す現代において、「大きく、速く、豪華に」という従来の自動車の価値観とは対極にある、「小さく、シンプルに、必要十分に」というピールP50の哲学は、新たな示唆を与えてくれるでしょう。
コレクターズアイテムとしての価値
オリジナルのピールP50は、今や貴重なコレクターズアイテムです。
わずか47台しか生産されず、現存するのは27台のみという希少性から、オークションでは高値で取引されています。2013年には1964年製のオリジナル車両が12万ドル以上で落札され、その価値は年々上昇しています。自動車史における重要な存在として、博物館やコレクターの間で大切に保存されているのです。
復刻版も、将来的にはコレクターズアイテムとしての価値を持つ可能性があります。現代の技術で甦った世界最小の車として、自動車史の一ページを飾る存在となるでしょう。
ピールP50の購入方法と注意点
復刻版の購入ルート
復刻版ピールP50を購入したい場合、どうすればよいのでしょうか?
ピール・エンジニアリング・リミテッドの公式ウェブサイトから直接問い合わせるのが最も確実な方法です。価格は£10,899~£11,699(約162万円~174万円)で、EV仕様とガソリンエンジン仕様から選択できます。ただし、イギリスからの輸入となるため、輸送費、関税、その他の諸費用が別途かかる点に注意が必要です。
また、日本国内での登録や公道走行には、様々な法規制をクリアする必要があります。車検制度、保安基準、排出ガス規制など、日本の法律に適合させるための手続きや改造が必要となる可能性があるため、専門家に相談することをおすすめします。
日本での公道走行の可能性
ピールP50を日本で公道走行させることは可能なのでしょうか?
結論から言えば、かなり困難と考えられます。日本の道路運送車両法では、自動車として登録するためには様々な保安基準を満たす必要があります。ピールP50のような極小車両は、これらの基準を満たすことが難しい可能性が高いのです。特に、衝突安全性能、灯火類の配置、ミラーの設置など、多くの項目で基準を満たせない可能性があります。
ただし、ミニカー登録(原動機付自転車扱い)や、私有地での使用など、限定的な利用方法は検討できるかもしれません。購入を検討する際は、必ず事前に陸運局や専門業者に相談し、日本での使用可能性を確認することが重要です。

オリジナル車両の入手難易度
オリジナルのピールP50を入手することは、極めて困難です。
わずか47台しか生産されず、現存するのは27台のみという希少性から、市場に出回ることはほとんどありません。オークションに出品されることがあっても、12万ドル以上という高額で取引されるため、一般の愛好家が手に入れるのは現実的ではないでしょう。
もしオリジナル車両の購入機会に恵まれたとしても、60年以上前の車両であるため、メンテナンスや部品の入手が非常に困難です。専門的な知識と技術、そして相当な資金が必要となります。コレクターとして保存するのであれば別ですが、実際に走行させることを考えると、復刻版の方が現実的な選択肢といえるでしょう。
まとめ:世界最小の車が示す未来の可能性
ピールP50は、全長1,340mm、全幅990mm、全高1,000mmという驚異的なサイズで、ギネスブックに「世界最小の量産車」として認定されている伝説的なマイクロカーです。
1962年から1965年にかけてイギリスのマン島で製造され、わずか47台しか生産されなかったオリジナル車両は、今や1台1,000万円以上の価値を持つコレクターズアイテムとなっています。49ccの空冷2ストロークエンジン、車両重量56kg、乗員1名という極限までシンプルな設計は、「大人一人と買い物袋を1つ乗せられる車」というコンセプトを体現しています。
2007年にBBCの「TOP GEAR」で取り上げられたことで再評価され、2010年には復刻版が発売されました。復刻版はEV仕様とガソリンエンジン仕様が用意され、オリジナルの弱点だったバックギアも装備されています。価格は£10,899~£11,699(約162万円~174万円)で、現在でも購入可能です。

ピールP50の魅力は、そのサイズだけではありません。
環境性能が重視される現代において、究極のダウンサイジング車両として、「本当に必要な移動手段とは何か」という問いを投げかけています。日本の軽自動車よりもさらに小さい、コンパクトな移動手段として、都市部での短距離移動や個人通勤に最適な選択肢となる可能性を秘めているのです。
ただし、日本での公道走行には様々な法規制があり、実現は容易ではありません。購入を検討する際は、事前に十分な調査と専門家への相談が必要です。それでも、ギネス認定の世界最小の車を手に入れられるという希少性と話題性は、多くの自動車愛好家にとって魅力的でしょう。
ピールP50は、60年以上前に生まれた小さな車ですが、持続可能な社会を目指す現代に、大きな示唆を与え続けています。
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