アウディはどこの国の車メーカー？エンブレムの意味、歴史と特徴を徹底解説

アウディはどこの国の車メーカー？エンブレムの意味、歴史と特徴を徹底解説

アウディはどこの国の車メーカー？

アウディはドイツの自動車メーカー！100年以上の歴史を持つ名門ブランド

インゴルシュタットにあるアウディの本社ビル

あなたは「アウディ」と聞いて、どんなイメージを思い浮かべますか？

洗練されたデザイン、高い走行性能、そして4つのリングが重なったエンブレム。世界中の自動車ファンを魅了し続けるアウディですが、実はその生産国や歴史について詳しく知らない方も多いのではないでしょうか。

アウディは、100年以上の歴史を持つドイツの自動車メーカーです。現在はフォルクスワーゲングループの傘下にあり、世界9か所の生産拠点で高級車を製造しています。ベンツやBMWと並ぶドイツの高級車ブランドとして、世界中で高い評価を得ています。

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アウディの誕生と歴史 – 創業者ホルヒから現代まで

アウディの創業者アウグスト・ホルヒの肖像画

アウディの歴史は、一人の情熱的な自動車エンジニアから始まりました。

アウディの創業者であるアウグスト・ホルヒは、もともとベンツ社の工場長として働いていましたが、1898年に独立して自動車修理工場「ホルヒ」を設立しました。その後、経営陣との対立により自分の会社を追われることになったホルヒは、1909年に新たな自動車会社を立ち上げます。しかし、前の会社との名称の類似性から「ホルヒ」の名前を使用することができませんでした。

ここで興味深いのは「アウディ」という名前の由来です。ドイツ語で「聞く」を意味する「ホルヒェン(horchen)」をラテン語に訳したものが「アウディ(Audi)」なのです。つまり、創業者の名前「ホルヒ」をラテン語に置き換えたものが「アウディ」だったのです。

第一次世界大戦後の大不況期、ドイツの自動車産業は苦境に立たされました。この危機を乗り切るため、1932年にアウディ・DKW・ホルヒ・ヴァンダラーの4社が合併し、「アウトウニオン」が誕生します。現在のアウディのエンブレムである4つのリングは、この4社の結束を象徴しているのです。

第二次世界大戦後、アウトウニオンも経営が悪化し、ダイムラー・ベンツやフォルクスワーゲンの傘下に入りました。しかし、1965年にはアウディブランドの車の生産を再開し、1985年には社名を「アウディ」に変更して完全復活を遂げました。

現在のアウディは、1964年以降フォルクスワーゲングループに属しており、ドイツを代表する高級車メーカーとして世界中で愛されています。

アウディのエンブレム「フォーシルバーリングス」の意味

アウディエンブレム

アウディのシンボルマークである「フォーシルバーリングス」。この4つのリングが重なったエンブレムには、深い意味が込められています。

このエンブレムは、1932年に誕生したアウトウニオンを構成した4つの自動車メーカー（アウディ、DKW、ホルヒ、ヴァンダラー）の団結を表しています。左から順にアウディ、DKW、ホルヒ、ヴァンダラーを指すとされています。

アウトウニオンの設立により、各社はそれぞれの得意分野に専念することで総合力を高めることに成功しました。

DKW（デーカーヴェー）：小型大衆車を担当
ヴァンダラー：中級モデルを担当
アウディ：大型モデルを担当
ホルヒ：プレステージカーを担当

このエンブレムは時代とともに少しずつ変化してきました。1949年にはリングの中に「AUTO UNION」と入ったシンプルなデザインに変わり、1969年に「NSU」と合併した際には「AUDI NSU」のロゴのみのデザインになりました。

そして1985年に社名を「Audi AG」と変更した際に、新しいデザインのフォーシルバーリングスをシンボルマークとして制定。現在のシンプルなフォーシルバーリングスに戻ったのは1994年のことでした。

アウディの最大の特徴「クワトロ」とは？国産車との決定的な違い

アウディを語る上で欠かせないのが「クワトロ」システムです。

アウディの最も大きな特徴として、独自のフルタイム4WD機構「クワトロ(quattro)」が挙げられます。量産型の乗用車に世界で初めてフルタイム4WDを導入したのはアウディなのです。クワトロはアウディのモデル名にも使われており、ブランドのアイデンティティとなっています。

国産車の場合、フルタイム4WDは基本的にオフロード車にしか搭載されていません。一方、アウディのクワトロは、市街地走行やスポーツ走行でも使えるフルタイム4WD機構として開発されました。

クワトロの主な特徴は以下の通りです。

悪路でのオールマイティな走破性能
高速道路での優れた走行安定性
後輪に多くの駆動力を配分できるため、コーナリング性能が向上

現在、アウディが展開している全ての車種において、クワトロを搭載したモデルが用意されています。この技術は、ドイツのアウトバーン（高速道路）で200km/h以上の速度でも安定して走行できるよう開発されたものです。

アウディが拠点を置くドイツには、日本にはない高速無制限区間を持つアウトバーンがあります。そのため、アウディ車は高速道路でも安定して走れる優れた性能を備えているのが特徴なのです。

メンテナンス次第で長く乗り続けられるアウディ車

輸入車は国産車に比べて故障しやすいというイメージがありますよね？

実際、J.Dパワー社の「自動車耐久品質調査」でも、ベンツやBMWなどの輸入車は、国産車に比べて故障率が高いという結果が出ています。アウディも例外ではなく、国産車に比べると故障率は高めです。

しかし、消耗品をこまめに交換するなどメンテナンスをきちんと続けていれば、走行距離が30万kmを超えても、新車のように乗り続けられるといわれています。

実はこれ、ドイツ人の車に対する考え方が関係しています。ドイツ人は1台の車に長く乗るという意識が強いといわれています。そのため、適切なメンテナンスを行えば長期間使用できるよう設計されているのです。

メンテナンスに手間をかけられることが、輸入車を所有する楽しみのひとつともいえるでしょう。より多くの手をかけて楽しめるかどうかも、アウディの購入を検討する際のポイントとなります。

消耗品にもメーカー保証が付いている珍しいブランド

アウディの大きな特徴として、車両だけでなく消耗品にもメーカー保証が付いていることが挙げられます。

新車購入時から3年間または走行距離5万km以内であれば、以下のような消耗品を無料で交換できます。

エンジンオイル・オイルフィルター
ウォッシャー液
ワイパーブレード
ブレーキパッド
ライトバルブ類

国産車にもメーカー保証は付きますが、消耗品にまで保証が付くケースはほとんどありません。これはアウディの大きな魅力の一つです。

さらに、この消耗品のメーカー保証は、追加料金を支払うことで5年間に延長することも可能です。追加料金の金額は国産車に比べると割高ですが、新車登録日より60日以内に支払えば安くなるというメリットもあります。

知っておきたい！アウディ以外の世界の自動車メーカー

世界には様々な国で作られた個性豊かな自動車ブランドがあります。アウディの特徴をより深く理解するためにも、他の国の代表的な自動車メーカーについても知っておくと良いでしょう。

ドイツ産の高級車ブランド

アウディの本拠地であるドイツは、世界有数の自動車大国です。ドイツ産の主な自動車メーカーには以下のようなブランドがあります。

メルセデス・ベンツ：1926年に設立した高級車の代名詞とも言えるブランド。新車価格は300万円台から2,000万円を超えるモデルまで幅広く展開しています。
BMW：ベンツと並ぶ高級輸入車の定番。「駆け抜ける喜び」をスローガンに、スポーティな走りが特徴です。価格帯は300万円台から1,000万円台まで様々です。
ポルシェ：スポーツカーの代名詞。近年はSUVのカイエンやマカンも人気です。
フォルクスワーゲン：「大衆車」という意味を持ち、比較的リーズナブルなモデルが多いのが特徴です。

ドイツ車は全般的に走行安定性が高く、高速道路での走行に適した設計となっています。また、長く乗り続けられる耐久性の高さも特徴です。